■要約
サイバーコム<3852>は、富士ソフト<9749>を親会社とする富士ソフトグループで、通信分野で培った技術力を基盤としたソフトウェア開発事業を主力とし、SIサービスや自社開発プロダクトの販売などサービス事業も展開している。主要顧客はNEC<6701>グループで売上構成比の約3割を占める。
1. 2020年12月期業績の概要
2020年12月期の業績は新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)の影響による開発案件の延伸や見送り等があり、売上高で前期比2.1%減の13,672百万円と減収となったものの、営業利益は生産性向上や経費削減効果により同10.9%増の827百万円と過去最高を更新した。売上高は車載向けを中心とした制御ソフトウェアが同17.6%減となったほか、業務ソフトウェアも同8.5%減となったが、5G関連を中心に通信ソフトウェアが同28.9%増と好調に推移したほか、SIサービス等のサービス事業も同11.0%増と順調に増加した。利益面では、リモートワーク体制への移行に伴う交通費等の減少や各種イベントの開催見送り等もあり、全社経費で205百万円減少し、研修費用の増加や東京オフィス開設に伴う費用増加を吸収する格好となった。
2. 2021年12月期業績見通し
2021年12月期は、売上高で前期比5.3%増の14,400百万円、営業利益で同2.7%増の850百万円と増収増益となる見通し。当期は基本方針として「『ビジネス改革!』~オンライン時代の対応力強化~」を掲げ、ポストコロナにおけるオンライン営業等の新たな営業手法の確立と徹底的な効率化、「スピード」「先回り営業」による大型・高収益プロジェクトの受注獲得に注力していく方針だ。分野別では引き続き5G開発案件を中心に通信ソフトウェア分野が伸びるほか、サービス事業の拡大などを見込んでいる。人員については引き続き積極的な採用を図り、人財育成により開発能力の強化を進めていく。
3. 成長戦略
同社は2023年12月期までの3ヶ年中期計画「サイバーコムビジョン2023~増収増益の継続~」を発表した。経営方針として、満足度の追求、サービス提供型ビジネスへの転換、戦略的投資による拡大、本部制活用による効率化、の4点を推進していく。新卒社員の採用数も年間120名前後と全従業員の1割程度の採用を進めていく計画だ。今後はローカル5Gなど高速モバイル通信技術の利活用が様々な業界で進展すると見られるほか、CASEやMaaSなどモビリティ分野でも新たな開発ニーズが増加するものと予想され、通信分野の技術開発力で強みを持つ同社にとっては事業拡大の好機になると予想される。中期経営計画の具体的な経営数値目標は公表していないが、収益性については戦略的投資を行いながら営業利益率で5~6%、ROEで10%以上の水準を維持し、増収増益の継続を目指していくものと思われる。
■Key Points
・2020年12月期はコロナ禍の影響で減収となったものの、営業利益は過去最高を更新
・オンライン時代の対応力強化に取り組み、2021年12月期は増収増益となる見通し
・新3ヶ年中期計画「サイバーコムビジョン2023~増収増益の継続~」をスタート
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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サイバーコム<3852>は、富士ソフト<9749>を親会社とする富士ソフトグループで、通信分野で培った技術力を基盤としたソフトウェア開発事業を主力とし、SIサービスや自社開発プロダクトの販売などサービス事業も展開している。主要顧客はNEC<6701>グループで売上構成比の約3割を占める。
1. 2020年12月期業績の概要
2020年12月期の業績は新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)の影響による開発案件の延伸や見送り等があり、売上高で前期比2.1%減の13,672百万円と減収となったものの、営業利益は生産性向上や経費削減効果により同10.9%増の827百万円と過去最高を更新した。売上高は車載向けを中心とした制御ソフトウェアが同17.6%減となったほか、業務ソフトウェアも同8.5%減となったが、5G関連を中心に通信ソフトウェアが同28.9%増と好調に推移したほか、SIサービス等のサービス事業も同11.0%増と順調に増加した。利益面では、リモートワーク体制への移行に伴う交通費等の減少や各種イベントの開催見送り等もあり、全社経費で205百万円減少し、研修費用の増加や東京オフィス開設に伴う費用増加を吸収する格好となった。
2. 2021年12月期業績見通し
2021年12月期は、売上高で前期比5.3%増の14,400百万円、営業利益で同2.7%増の850百万円と増収増益となる見通し。当期は基本方針として「『ビジネス改革!』~オンライン時代の対応力強化~」を掲げ、ポストコロナにおけるオンライン営業等の新たな営業手法の確立と徹底的な効率化、「スピード」「先回り営業」による大型・高収益プロジェクトの受注獲得に注力していく方針だ。分野別では引き続き5G開発案件を中心に通信ソフトウェア分野が伸びるほか、サービス事業の拡大などを見込んでいる。人員については引き続き積極的な採用を図り、人財育成により開発能力の強化を進めていく。
3. 成長戦略
同社は2023年12月期までの3ヶ年中期計画「サイバーコムビジョン2023~増収増益の継続~」を発表した。経営方針として、満足度の追求、サービス提供型ビジネスへの転換、戦略的投資による拡大、本部制活用による効率化、の4点を推進していく。新卒社員の採用数も年間120名前後と全従業員の1割程度の採用を進めていく計画だ。今後はローカル5Gなど高速モバイル通信技術の利活用が様々な業界で進展すると見られるほか、CASEやMaaSなどモビリティ分野でも新たな開発ニーズが増加するものと予想され、通信分野の技術開発力で強みを持つ同社にとっては事業拡大の好機になると予想される。中期経営計画の具体的な経営数値目標は公表していないが、収益性については戦略的投資を行いながら営業利益率で5~6%、ROEで10%以上の水準を維持し、増収増益の継続を目指していくものと思われる。
■Key Points
・2020年12月期はコロナ禍の影響で減収となったものの、営業利益は過去最高を更新
・オンライン時代の対応力強化に取り組み、2021年12月期は増収増益となる見通し
・新3ヶ年中期計画「サイバーコムビジョン2023~増収増益の継続~」をスタート
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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