買い一巡後は下値を試す動きも
昨日の米国株式相場は下落。ダウ工業株 30 種平均は 3.09 ドル安の 32420.06、ナスダック総合指数は 265.81 ポイント安の 12961.89 となった。また、時間外取引の日経平均先物(円建て)は 28335 円付近での推移。したがって、本日の日経平均は堅調スタートを想定。100 円程度の上昇から始まると思われる。
日経平均の日足チャートでは昨日、窓を空けて下落。売り先行から一段安となっており、先安観の強いチャート形状となっている。下方にあったファンダメンタルズの壁②をズブズブと浸食しており、この壁が存在している可能性が低くなっている。軸は大きく下向きに傾いていると思われ、株価は今後も下落しやすい状況が続きそうだ。
昨日の NY 株は失速したものの、日経平均は「自律反発」ということになりそうだ。連日の下落によって、さすがにテクニカル的な押し目買いが入りやすい状況になっているからだ。日銀が ETF の買い入れ額を前回の買い入れ額(501 億円)から増額(701 億円)としたところも、安心感につながりそうだ。ただ、明確な買い材料に乏しく、株価は執拗に売られやすい。買い一巡後は改めて下値を試す動きとなり、「相場の弱さ」を露呈することになるだろう。
相場の足を引っ張っているのは、欧州でのコロナ再拡大、そして国内でも感染者の下げ止まり、微増が確認されている。ワクチン普及が遅れるなか、「第4波」に対する懸念が高まっているのだ。
そして見逃せないのが、ルネサス工場火災による自動車生産への影響だ。一部によれば「4-6 月期のGDPを年率換算で 7.3%押し下げる」との試算もあり、株価を強く押し下げる要因となりそうだ。投資家は崩れたチャートを横目に、「売りポジション」で対処するしかない。そして、「意外安」に備える場面であるとも言えよう。
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