窓を空けて下落 弱気相場が鮮明

本日の日経平均は 590.40 円安の 28405.52 円で取引を終了した。朝方から米株安を嫌気して売り先行の展開。その後はさらに下落幅が拡大し、一時 600 円安となる場面もあった。
日経平均の日足チャートでは、上影陰線が出現。窓を空けて下落しており、弱気相場が鮮明になっている。安値圏での終了となったことで、先安観が残る格好。下方に目指すべき窓は存在していないものの、その分、大きな力が働いているようだ。
日経平均を押し下げているのは、相変わらず指数連動性の高い銘柄。ファストリ(9983)が110 円程度、ソフトバンク G(9984)が 95 円程度、寄与している。
一方、インテルの工場建設が思惑視された東京エレク(8035)は 5%以上の上昇。日経平均を 75 円程度、支えている。
ただ、相場の地合いは悪く、多くの銘柄が下方向で反応している。年度末の配当落ちに伴う再投資への期待はあるものの、相場の流れは下向き。安値更新しそうな雰囲気が漂っている。
そのようななか、株価を下押しするさらなる悪材料が出てきた。ルネサス(6723)の工場火災の悪影響がかなり甚大らしいのだ。野村総研の試算によれば、自動車のマイコン不足によって、4-6月期 GDPを年換算で 7.3 ポイントほど押し下げるという。連続のマイナス成長も辞さない状況となっており、株価の売り材料として意識され始めている。そのほか、気になるのは、スエズ運河のコンテナ座礁事故。交通の要衝が封鎖されていることで、世界の景気押し下げ要因として意識されるかもしれない。
投資家は引き続き「売りポジション」を維持しながら、次々と出現する悪材料から身を守らなければならない。こういった流れのときは、さらなる悪材料が控えている可能性がある。政府の地震調査員会は、東北でのさらに大きな地震が来る可能性があるという。現実のものにならないことを祈るが、投資家はこういったことにも不意をつかれないようにしたい。
<マーケット・ストーリー>
ユニクロ女子、ソフバン男子を乗せたまま急降下は続く。さらに乗用カーの部品が散乱し、壁に数々の穴を開け始めている。「プシュー」と空気が抜ける音が鮮明に聞こえてきた。このまま地面に激突してしまうのか・・・。
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