米連邦準備制度理事会(FRB)は16日、17日の2日間に開催された連邦公開市場委員会(FOMC)で市場の予想通り政策金利の据え置きを決定した。ワクチン接種ペースの加速で経済活動の再開に拍車がかかっているほか、大規模追加経済対策が回復を支援するため、四半期ごとに発表されるFRBメンバー予測の中で、2021年の国内総生産(GDP)成長率見通しを引き上げた。
金利に関しては、18人のメンバーのうち7名が23年までに少なくとも1回の利上げを予想したが、中央値では23年までゼロ金利を維持する可能性が示唆され、FRBの緩和姿勢が改めて確認された。
●長期金利抑制策の可能性
欧州中央銀行(ECB)は長期金利の上昇を抑制するため、パンデミック緊急購入プログラム(PEPP)の拡大を発表したが、パウエル議長は、利回り曲線を巡り、FRBの現行の政策が適切であると主張。オペレーションツイストのような措置で長期金利の上昇を抑制する措置を講じる可能性を一蹴した。境界線となるのは、「無秩序な市場の状況により、FRBの目標達成に支障が出ること」のようだ。
実際、国債購入において、「少なくとも」各月1200億ドル(国債800億ドル、MBS400億ドル)を維持する、としたことから、国債購入拡大の可能性も示唆している。
●FOMC予測とゼロ金利維持の政策解離について
FOMCメンバーの予測によると、2021年のGDP成長率見通しは6.5%へ引き上げられた(12月4.2%)。コアPCEの見通しも、2021年2.2%(12月1.8%)、2022年2%(1.9%)、2023年2.1%(2.0%)とそれぞれ引き上げ。金利に関しては、18人のメンバーのうち7人が23年までに少なくとも1回の利上げを予想している。しかし、中央値は23年いっぱい金利据え置きを示唆した。
6.5%と戦後最大の成長率やインフレの上昇を予想するメンバー予測と、FRBのゼロ金利を23年いっぱい維持する可能性を示唆する方針の違いに関する質問に対し、パウエル議長は、FRBが見通しではなく、「結果」を基盤として行動していく方針を再確認した。バーナンキ元議長下でつくられたドットチャートでは、予測が基盤とされ政策が決定されてきたが、方針を転換。その重要性が少なくなりつつある。議長は現在の状況には不確実性が多すぎるためと説明した。今までのような先制措置ではなく、経済の動向を見て、状況を確認してから、行動をとることになる。今後は、リスクを伴うこのFRBの方針が正しいかどうかを見極めていくことになる。
<FA>
金利に関しては、18人のメンバーのうち7名が23年までに少なくとも1回の利上げを予想したが、中央値では23年までゼロ金利を維持する可能性が示唆され、FRBの緩和姿勢が改めて確認された。
●長期金利抑制策の可能性
欧州中央銀行(ECB)は長期金利の上昇を抑制するため、パンデミック緊急購入プログラム(PEPP)の拡大を発表したが、パウエル議長は、利回り曲線を巡り、FRBの現行の政策が適切であると主張。オペレーションツイストのような措置で長期金利の上昇を抑制する措置を講じる可能性を一蹴した。境界線となるのは、「無秩序な市場の状況により、FRBの目標達成に支障が出ること」のようだ。
実際、国債購入において、「少なくとも」各月1200億ドル(国債800億ドル、MBS400億ドル)を維持する、としたことから、国債購入拡大の可能性も示唆している。
●FOMC予測とゼロ金利維持の政策解離について
FOMCメンバーの予測によると、2021年のGDP成長率見通しは6.5%へ引き上げられた(12月4.2%)。コアPCEの見通しも、2021年2.2%(12月1.8%)、2022年2%(1.9%)、2023年2.1%(2.0%)とそれぞれ引き上げ。金利に関しては、18人のメンバーのうち7人が23年までに少なくとも1回の利上げを予想している。しかし、中央値は23年いっぱい金利据え置きを示唆した。
6.5%と戦後最大の成長率やインフレの上昇を予想するメンバー予測と、FRBのゼロ金利を23年いっぱい維持する可能性を示唆する方針の違いに関する質問に対し、パウエル議長は、FRBが見通しではなく、「結果」を基盤として行動していく方針を再確認した。バーナンキ元議長下でつくられたドットチャートでは、予測が基盤とされ政策が決定されてきたが、方針を転換。その重要性が少なくなりつつある。議長は現在の状況には不確実性が多すぎるためと説明した。今までのような先制措置ではなく、経済の動向を見て、状況を確認してから、行動をとることになる。今後は、リスクを伴うこのFRBの方針が正しいかどうかを見極めていくことになる。
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