弱気相場が鮮明 チャートは「ダブルトップ」の様相
本日の日経平均は 484.33 円安の 29671.70 円で取引を終了した。朝方から売りが優勢となり、その後も下値を試す展開。大引けにかけてさらに売りが出て、結局、安値引けとなった。米国株式市場でナスダックが一時急落したことで、国内でも IT、ハイテク株に売りが優勢。マザーズ指数は 4%以上の下落となり、新興・成長株には換金売りが優勢となった。
日経平均の日足チャートでは、わずかに窓を空けて下落。弱気相場が鮮明になっており、一段と先安観が強まる格好となっている。チャートもおおむね「ダブルトップ」の様相。重要なネックライン(29847.33 円)を割り込んでおり、下値リスクが高まっている。上方の壁が確定しており、ひとまず調整色が強まりそうな感じだ。
下値メドとして意識されるのは、もちろん下方に空いている窓(29650.51 円―29662.41円)。ただし、これはかなり接近していることから、勢いでスルーする可能性が高い。もし、このまま下落した場合には、さらに下方の窓(28785.71―21817.60 円)が意識される。あと 900円程度の下落余地があるということだ。
場合によっては、今回の「コロナバブル」が完全に崩壊した可能性がある。そもそもこれが「バブル」かどうかという議論はさておき、今回の上昇相場が終焉を迎えたかもしれない。その引き金となったのが、テスラ CEO であるイーロン・マスク氏の一言である。「ビットコインは高いように思える」とツイートしており、それがビットコインおよびテスラ株の急落を招いた。ナスダック、日本株にも波及しており、「ハイテク・成長株売り」につながっている。
今回の下落を「健全な調整」と一蹴するのは簡単だ。ただ、「コロナ後」を見据えて、空運・陸運が逆行高しており、「相場の景色が変わった」可能性がある。関西3府県、中京2県では先行して緊急事態宣言が解除される見込み。「経済正常化」へ一歩前進しており、それが株式市場にもインパクトを与えている。投資家は「売りポジション」を持ちながら、「バブル崩壊」を意識しながらトレードしなければならない。
<マーケット・ストーリー>
いったん上昇したふわふわ怪獣だったが、再び急降下を始めた。その拍子に足けり自動車に乗っていたマスクの男の子が転倒。ポケットのなかから金色のコインがバラバラっと落ちた。「何だ。おもちゃのコインじゃん」――一方、外ではお母さんたちが大悲鳴だ。
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