先週は、週始め下落するも米株堅調で、上値は重いながらも昨年来高値更新
先週の予測では、14日(木)に、NYダウの連続最高値更新を背景に、28979円と29000円に接近し、3万円の期待もありましたが、NYダウが下にふれれば連動することになるとしました。週始めは、前週末のNYダウがバイデン次期大統領の大型追加経済対策1.9兆ドルの発表で目先材料出尽くしとなったことで、一時▲407円の28111円と大幅下落したことで、調整も考えられるとしましたが、連休明けの米国株式が戻りを試し、3指標とも最高値更新となったことで、日経平均も上値は重いものの28756円と1990年8月以来の高値更新となりました。ただし、上値を追っていくには材料不足で、本格決算の週に入っていきます。
18日(月)は、前週末にかけてのNYダウの3日続落を嫌気し、日経平均は▲280円の28238円で寄り付き、一時▲417円の28111円まで下げました。この日は米国はキング牧師の生誕で祝日のため、材料不足で動きにくく、後場には大引けにかけて28200円台近辺での推移となり、終値は▲276円の28242円でした。
19日(火)は、イエレン次期財務長官が必要ならばコロナ対策で、さらに追加の経済対策をとるとの考えを示したことで、米株先物が一段高となり、日経平均は△163円の28405円で寄り付いたあと、一時△427円の28669円の高値をつけ、さらに後場になると上げ幅を拡大し、△478円の28720円まで上昇して、終値は△391円の28633円と3日ぶりの大幅反発となりました。
20日(水)は、前日の米国市場は、イエレン発言を好感し、NYダウは4日ぶりに反発したことで、△165円の28798円で寄り付きましたが、イエレン発言は昨日の上昇で織り込んでおり、先物にまとまった売り物が出て、一時▲231円の28402円まで下げ、終値は▲110円の28523円と反落しました。
21日(木)は前日の米国市場では、バイデン大統領の正式就任で、コロナ対策法案への期待、さらにコロナワクチンのスムーズな普及による景気回復期待、ネットフリックスの急伸もあって、3指標そろって最高値更新となり、これを受けて日経平均は28846円まで上昇(1990年8月以来の高値水準)し、終値は△233円の28756円の大幅反発となりました。
22日(金)は、高値警戒感から▲179円の28580円で寄り付き、一時▲229円の28527円まで下落しました。その理由の1つに、英タイムズ紙で日本の政府関係者の話として東京五輪を中止せざるを得ないと非公式に結論づけたということが載ったためでした。その後、下げ幅を縮小するものの、大引けにかけて上値重く、戻りは限定的で▲125円の28631円と反落しましたが、値下がり数は1400(値上がり数694)超えでした。
日本市場の引け後の米国市場は、マチマチの動きでした。好決算発表期待を背景にアップルなどのハイテク株は上昇し、ナスダックは3日連続の最高値更新でしたが、NYダウはバイデン大統領の1.9兆ドルの追加経済対策に反対する声が民主党の中から上がったことで、法案の早期成立が不透明となり、▲179ドルの30996ドルと反落しました。シカゴの日経先物は▲20円の28610円でした。
今週も引き続き、28000円台を中心に一進一退の動きを想定
今週の日本市場は、上場企業の2020年4~12月期の決算発表が本格化し、業種によってコロナ感染拡大の影響が、どういう決算状況になっているのか注目となります。好業績は、半導体を中心とするハイテク業種で、これが好調であれば日経平均のサポート要因が続くことになり、逆に飲食小売業などは深刻な決算のところも多く足を引っ張ることになります。決算の発表が終わるまでは、好業績の個別銘柄中心の相場となりますので、日経平均は引き続き一進一退の動きが想定されます。日経平均は、4週連続の週足で陽線となっていますが、29000円を前に上値の重い展開が続いており、市場ボリュームをみても一気に3万円を突破するような状況ではありません。上に行くためにも、いったんスピード調整なり日柄調整が欲しいところですが、米株式が堅調なためキッカケがつかめないといえます。当面は「上げ続ける相場はない」「節分天井、彼岸底」などの格言を念頭に置きながらの投資行動となります。用心して儲け損なった結果になっても実害はないのですから、無理して飛び乗って大きく損をするよりもいいことだと考えるべきところです。米国もバイデン政権になって、今後の金融政策がまだ明確になっていませんので確認が必要です。
25日(月)は、寄り付きは今週後半から本格化する企業決算への期待感から買いが先行し、ただ、バイデン米政権が掲げる米経済対策法案成立への不透明感もあって、下げに転じる場面もありましたが、売り一巡後は、時間外取引の米株価先物高も支えとなり、いったん戻したあと、その後は、しばらく高値圏でもみ合いが続きましたが、大引けにかけて先物主導で一段高となって△190円の28822円と高値引けとなりました。
(指標)日経平均
先週の予測では、NYダウの動きに合わせて急上昇してきただけに、バイデン大統領の正式就任(20日)で動きが止まると一服する可能性があるとしました。
結果的には、就任式で心配されたトランプ支持派の妨害もなく終え、逆にイエレン次期財務長官のさらなる追加経済対策のコメントでアメリカ株式は3指標とも史上最高値を更新しました。日本株は、高値警戒感から週始め下振れましたが、米株式の上昇で21日には終値ベースで昨年来高値を更新する28756円をつけましたが、一進一退の上値の重い展開となっています。
今週は、国内では2020年4~12月期決算発表が本格化するため、コロナの影響がプラスに影響している業種とマイナスに影響している業種が明確に分かれることになります。日経平均の指数をサポートするハイテク企業の業績は回復が見込まれる反面、サービス業はコロナの影響が深刻な結果となっています。それとバイデン新大統領のもとでの米金融政策も焦点となります。今週も日経平均は先週と同じように28000円台中心の動きが想定されます。
(指標)NYダウ
先週の予測では、20日のバイデン大統領の正式な就任式が注目となるが、反バイデンのトランプ大統領支持グループが警戒されており様子見としました。しかし、現実には強力な警戒体制のもと観客もいない状況での就任式のため何事もなく終りました。逆に連休明けの19日(火)は、イエレン次期財務長官が議会でコロナ対策のためにさらなる追加の経済対策を行うとの発言で3指標そろって反発し、さらに20日の就任式当日は、今後の政策への期待、コロナワクチンの普及による景気回復期待から3指標そろって最高値更新となりました。
今週は、引き続き、アップルを代表とするハイテク株の決算発表の好調な結果が想定され、ハイテク株主導の上昇の可能性がある一方で、バイデン新政権の戦略の不透明さも出てくるところです。1.9兆ドルの大型経済政策は、民主党の内部からの反対の声に加え、野党共和党からの反対意見は強く、イエレン氏は議員の質問に対する返答書の中で、所得税、法人税、キャピタルゲインを引き上げる方針を示しており、マイナス材料となります。高値圏でのもみあいとなりそうです。
(指標)ドル/円
先週の予測では、米長期金利の伸び悩みや米経済指標の弱い結果を受け、ドル売り・円買い材料が増えつつあるとしました。
結果的に、先週は、イエレン次期財務長官は、1月19日の指名承認公聴会で、米国の低金利は長期化するとの見方を示し、ドル・円は104.09円まで買われましたが、21日に103.33円まで下げる場面がありました。その後、22日に米中古住宅販売件数などが改善したことで、103.77円まで戻して引けました。
今週は、FOMC会合を材料にもみあいとなりそうです。金融緩和に前向きとみられる複数の地区連銀総裁がFOMCの投票メンバーになったことで金利先高感が後退することになります。経済指標が予想を下回れば、ドル売りとなって株価も一服する可能性があります。ワクチン普及期待が高まれば景気回復期待でドル買い材料となりますので、そういう場合はもみあいが続くことになりそうです。
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