「売り一巡後はしっかり、変異種の強さには注意」

本日の日経平均は 110.20 円安の 28523.26 円で取引を終了した。買い一巡後は上値が重くなり、いったん下値を試す動き。それでも売り一巡後は下げ渋っており、押し目買い意欲の強さを示唆している。
日経平均の日足チャートでは、下方の窓がサポートする形。この手前で下げ渋っており、相場の強さを示している。引き続き「軸は上向き」であり、株価は上値を試す動きになるだろう。
ただ、足元でやや不安な材料も出てきている。本日の大統領就任式はもちろんのこと、コロナの変異種の強さが指摘されていることだ。イギリス由来の変異種は感染力が 1.7 倍と目されているが、ある研究チームによれば、さらに高い変異種の出現もあり得るという。各国でワクチン接種が始まるなかで、変異種との「いたちごっこ」となる可能性もある。予想外の感染拡大は株価に悪影響があり、その点は十分に注意をしていきたい。
あと、気になるのは、国内でのワクチン接種が、マイナンバーとリンクするという話だ。もともとマイナンバー(国民総背番号制)の普及がイマイチなため、こういったイベントに乗じる必要性があった。それが今回のコロナ渦で行われることで、国民にとってはある意味、象徴的な出来事となりそうだ。「マイナンバーを取得しないと、ワクチンは打てません=死」のような意味で受け入れられ、総スカンを食らう可能性すらある。政府がどの程度、本気なのか、そして国民の同意を得られるどうかに、注目していきたい。それが菅政権の支持率に直結し、政治の安定・不安定を意味することになりかねないからだ。
投資家は上値の重さを意識しながらも、「強気姿勢」を維持していきたい。足元でいったん振るい落としが行われた分だけ、身動きが軽くなっているのも事実。上昇突破の可能性は高いと考えたい。
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