~ワッツブランドの本格展開に続き、次なる事業再構築へ~
【ポイント】
・2021年8月期の1Q(9~11月)の業績は極めて好調であった。これを受けて、上半期の会社計画も上方修正された。コロナショックのプラス効果が、前期の業績に大きく寄与したが、今期も当初計画より既存店が順調に推移している。生活雑貨に特化し、スーパーなどの委託販売に強みを持つことが、巣ごもり消費をうまく取り込んでいる。
・高額商品(200~1000円)の品揃えが進み、これもプラスに働いている。売れ筋を見極めつつ、PB(プライベートブランド)化を進めており、100円ショップの付加価値は高まる方向にある。ここ数年は、この効果が業績を牽引しよう。高額商品の売上比率は、1Qで6%まで来ているが、2021年8月末には10%へ近づこう。
・一方で、コロナショックのマイナス面が、海外事業とファッション雑貨事業に出ており、ここの克服が課題である。海外は状況が落ち着いてくれば、卸売りを中心に事業を回復させることができよう。国内では、北欧雑貨ソストレーネ・グレーネの撤退を決め、前期に事業整理損失引当金をとった。4店は今期中に閉店となろう。ブォーナ・ビィータは引き続き黒字化を目指して見直しが進もう。
・今後の経営方針は、1)委託販売を一段と強化していく、2)ファッション雑貨事業の見直しを引き続き進める、3)海外は卸売を中心に継続を図る、という展開になろう。当社の強みを強化するという戦略である。
・主力の100円ショップ業界は競争が激化しており、同質化すると下位は不利になる。ワッツはいかに個性を出していくか。ワッツブランド店の拡大、高額商品(200~1000円)の2000品目への拡大、ディスカウントショップ リアルとのコラボなどに取り組んでいる。
・小回りのきく店舗展開で優位性を発揮しつつ、次の構造改革にも手を打っている。今期の減益幅は縮小し、来期は、国内100円ショップやディスカウントストアのリアルの堅調さに加えて、海外事業も上向くので、増益に転換してこよう。その水準に注目したい。
目 次
1.特色 規模では業界4位ながら、小回りがきく存在
2.強み 迅速な出退店と独自の店舗オペレーションで収益を確保
3.中期計画 ワッツブランドをベースに高付加価値化を推進
4.当面の業績 コロナショックのプラス効果は一巡ながら、業績は上方修正含み
5.企業評価 収益源の多様化に挑戦中
企業レーティング | B |
---|---|
株価 (2021年1月18日) |
890円 |
時価総額 | 124億円 (13.958百万株) |
PBR | 1.06倍 |
ROE | 10.2% |
PER | 10.4倍 |
配当利回り | 1.7% |
総資本 | 21271百万円 |
純資産 | 10770百万円 |
自己資本比率 | 50.6% |
BPS | 839.0円 |
決算期 | 売上高 | 営業利益 | 経常利益 | 当期純利益 | EPS | 配当 |
---|---|---|---|---|---|---|
2012.8 | 40759 | 2056 | 2055 | 1177 | 93.3 | 15.0 |
2013.8 | 41725 | 2074 | 2075 | 1123 | 88.6 | 17.0 |
2014.8 | 43573 | 1784 | 1799 | 948 | 70.0 | 17.0 |
2015.8 | 44462 | 1257 | 1263 | 700 | 51.7 | 17.0 |
2016.8 | 46176 | 1205 | 1193 | 718 | 53.0 | 15.0 |
2017.8 | 47494 | 1209 | 1272 | 839 | 62.0 | 15.0 |
2018.8 | 49480 | 1000 | 1037 | 633 | 46.8 | 15.0 |
2019.8 | 51399 | 716 | 656 | 70 | 5.3 | 10.0 |
2020.8 | 52795 | 1768 | 1731 | 774 | 57.8 | 15.0 |
2021.8(予) | 51500 | 1500 | 1450 | 1100 | 85.7 | 15.0 |
2022.8(予) | 52500 | 1600 | 1550 | 1050 | 81.8 | 15.0 |
(2020.11ベース)
(注)ROE、PER、配当利回りは今期予想ベース。2013年3月1日で1:2の株式分割。それ以前のEPS、配当は修正ベース。2013.8期、2014.8期の配当は、東証2部、1部への変更記念配2円、2015.8期の配当は創業20周年の記念配2円を含む。
企業レーティングの定義:当該企業の、(1)経営者の経営力、(2)事業の成長力・持続力、(3)業績下方修正の可能性、という点から定性評価している。A:良好である、B:一定の努力を要する、C:相当の改善を要する、D:極めて厳しい局面にある、という4段階で示す。
レポート全文はこちらから
http://www.belletk.com/waltutu202101.pdf
関連銘柄
銘柄名称 | 株価 | 前日比 |
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2735
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818.0
(09/20)
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+7.0
(+0.86%)
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