4月までの大まかな値動き

著者:出島 昇
投稿:2021/01/04 18:40

年末は、米株の最高値更新に連動し、日経平均も30年4ヶ月ぶりの高値へ

 先週は、予測としてはコロナ変異種の拡大やアメリカの政治動向に注目としました。特に政治情勢が相場に影響を与える展開も考えられるとしました。それは、どちらかというとトランプ大統領が民主党、共和党で合意した追加経済対策(コロナ対策)に対して横やりを入れ成立が遠のいて、年内いっぱいの成立が遅れるという見方が大勢を占めていたため、先週は様子見で終わる可能性がありました。ところが28日(月)の午前中(日本時間)に予想外にトランプ大統領が追加経済対策法案へ署名したことで、時間外の米株先物が上昇し、日経平均は年初来高値でスタートし、翌日も米国市場で3指標そろって史上最高値を更新したことを受け、日経平均は△714円と30年4ヶ月ぶりの高値水準となりました。大納会の30日(水)は、反落して引けました。年末は予想外の進展で一新となりました。ただし売買代金、出来高ともに低水準の中で売り物がない中での上昇でした。

 28日(月)は、前週末の米国市場はクリスマス休日でしたので材料不足の中、△34円の26691円で寄り付きました。その後、トランプ大統領が追加経済対策へ署名したことで、成立とのニュースがあり、後場は時間外での米株先物が上昇したことで、上げ幅を拡大し△197円の26854円と年初来高値を更新しました。この日の時点では、商いが少なく年末への期待はあるものの、基本的にもみあいで終わるとの見方が多かったようでした。

 29日(火)は、前日の米国市場では、トランプ大統領が追加経済対策法案の署名や失業給付金の延長も決まったことを好感し、またワクチン普及による経済活動の正常化期待もあり、3指標とも最高値更新となったことを受け、日経平均は前場は△438円の27292円、後場になるとさらに一段高となって、△714円の27568円と1990年8月15日(終値28112円)以来の30年4ヶ月ぶりの高値水準となりました。出来高10.2億株、売買代金2兆2042億円と市場ボリュームが少ない中での大幅上昇でした。

 30日(水)の大納会は、前日の米国市場では、朝方は3指標そろって史上最高値を更新したものの、その後、追加経済対策の増額期待が後退し、欧米でのコロナ感染拡大を受け、3指標は反落となったこともあり、日経平均は、▲123円の27444円と反落して引けました。ただ、前日に714円も上昇した直後の利益確定売りによるものであり、押しが▲229円の27338円まで入ると買いが入りましたので、下値はしっかりした動きといえました。後場には戻りを試す動きがみられ瞬間的にプラス圏に浮上する場面もありました。

 30日(水)の米国市場は、英国でアストラゼネガのワクチンの使用承認となったことで、経済が正常化へ戻るという期待やムニューシン財務長官が成立したコロナ対策法案(9000億ドル)に含まれる3600億ドルの現金給付を速やかに開始するとしたことも好感され、NYダウは終値での史上最高値更新となりました。

 31日(木)は、日本市場は休場ですが、米国市場は、朝方は利益確定売りが先行したものの、失業保険申請件数が2週連続で予想を下回ったことや、国民への給付金増額案を巡り民主党が共和党へ譲歩案を提示したとの報道で期待感が再燃し、NYダウは△196ドルの30606ドルと史上最高値を更新しました。シカゴの日経先物は△40円の27510円でした。

4月まので大まかな値動き

 昨年末は、米株式は、NYダウ、ナスダック、S&Pの3指標は、そろって史上最高値の更新を続け、日経平均も連動して、29日(火)には一気に30年4ヶ月ぶりの高値水準となりました。ネットの投資専門家のほとんどの見方は、2021年度はコロナによって、むしろ新しい社会とシステムへ向かって株価が上昇していくというものを多く見受けました。

 昨年の米国株の上昇は、国民は新型コロナによって、深刻な生活状況にあるものの、巨額の時価総額を誇るGAFAMと言われる5つの巨大企業(グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン、マイクロソフト)による上昇であって、あとは単に引っ張られているだけです。日本株の上昇も、トヨタ、任天堂など国際優良株が指数に連動して日経平均を上昇させており、市場ボリュームの少ない中の上昇となっています。

 では、昨年の日本株式の高値を受けて「もうはまだなり」「まだはもうなり」などの格言に近づいているのでしょうか。市場の専門家の見方は、ここまでの上昇をコロナ後の新しい社会システムをつくるためのスタートに過ぎないという見方もあり、そうなると2021年は上昇相場が続くことになります。一方で少数の見解では、コロナ後を織り込んでの上昇であり、どこで下落に転じてもおかしくないというものがあります。私は当面はまだ上昇が続く可能性があるとみています。というのは、日経平均は30年4ヶ月ぶりの高値水準になったにも係わらず薄商いの中での上昇です。ピークを打つ時は、大きな上昇につれて大商いを伴っており、そこでピークとなると全体が下落に転じるのです。今、下落に転じても相場を引っ張ってきた数少ない上昇株が急落して、指数に連動するだけで、その場合はスピード調整となります。そういう下げ方が調整を待っている投資家にとっては儲けのチャンスとなります。

 冷静に考えれば、上昇している銘柄は、コロナ関連であり、そのための社会システムに影響を与える銘柄の上昇であり、多くの他の企業にはプラス要因とはなりません。なぜならばGDPは「個人投資」「設備投資」「住宅投資」で構成されており、これら3つは2021年は大きく落ち込むことが想定されます。今の上昇はジャブジャブ世界に広がっている金余りの結果であることをよく考えておく必要があります。そのバラマキの張本人であるトランプ大統領の退陣のあと、どんな金融政策となるのかはバイデン政権にならないと実体は分からないといえます。バイデン政権への交代後はしばらくトランプ政権の政策を引き継ぐでしょうが、その後(4月以降)は注意しておく必要があると思います。上昇すればするほど、誰もが今年はさらに上昇するのだと意見が一致した時、暴落が起こるのです。又、米国は金融緩和が継続し、ドル安・円高基調が続くことになりますので輸出企業の上昇にブレーキがかかることになります。

 今週は、予想外の緊急事態宣言を週内発表という報道から、一時、大幅下落となりました。先週末の12月29日の△714円の27568円が、やや余計な上昇分と思われますので調整したという感じです。今週は緊急事態宣言の内容とコロナ感染状況を見ながら、さらに米国株を見ながらの動きとなりそうです。

(指標)日経平均

 昨年末の日経平均は、様子見で終わるかとみていましたが、米国市場では、トランプ大統領が追加経済対策(コロナ経済対策)に突然、署名したことで主要3指標は史上最高値更新が続きました。これを受けて日経平均も29日(火)には△714円の27568円と30年4ヶ月ぶりの高値水準となりました。

 年始は、この流れを受け継いで、しっかりした動きが想定されるところですが、コロナ感染者数が拡大しており注意が必要です。年始めは、まず様子見から入った方がよいでしょう。
 

 

(指標)NYダウ

 今週の予測としては、トランプ大統領が追加経済対策に署名したことで、NYダウは史上最高値を更新する動きとなりました。トランプ大統領の任期は1月20日までですので、それまでに何か思わぬ出来事が起こらないとも限りませんので、来週末までは気が抜けません。しかし、アメリカ株式は3指標とも堅調な動きが続いており、コロナ感染拡大もワクチン効果で懸念材料から遠のいていると思われます。しばらくは売りを消化しながらもう少し上を目指すことになりそうです。
 

 

(指標)ドル/円

 昨年2020年の為替では、ドル・円は年間で2017年以来の大幅な下落となりました。新型コロナウイルス感染拡大による経済後退に歯止めをかけるため、FRBが前例のない緩和策を取ったためです。

 今年、以降も過去最低水準の米金利、FRBの資産買入れ継続で、ドル投資の妙味が薄れ、また、追加の財政刺激策や財政・経常赤字の増加が予想され、ドルにとってはしばらく逆風が続くことになりそうです。自国の経済が弱い時は、自国通貨安を行うのが普通ですので、バイデン政権もドル安をある程度放置する可能性があります。柴田罫線をみてもドル安・円高の下降トレンドが継続する形となっています。日本経済にとっては1ドル=100円を守れるかどうかとなりますが相場の転換点になる可能性があります。
 

 

配信元: みんかぶマガジン
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