先週メジャーSQを通過し、外国人もクリスマス休暇入りとなり26000~26900円のもみあいか

著者:出島 昇
投稿:2020/12/14 17:12

メジャーSQの先週は、週前半26327円まで下げるも、その後は26500~26900円のもみあい

 先週の予測では、日本市場は4日連続の上昇、週末の米国株式は11月雇用統計が予想を下回ったことで、逆に追加の経済対策が早期に成立するという見方から、3指標そろって最高値更新となったことで、先週は早々にも27000円を試す場合も想定しました。しかし、週末にメジャーSQを控えており、指数に絡んだ売買に左右される展開も考えられるとしました。チャート的には26800円台で上値が抑えられているため、27000円台に乗るためには26800円を突破する必要があるとしました。

 結果的には、26327円の安値をつけて反発したものの、7日(月)の26894円を突破できず、週半ばは26500~26800円台でもみあって、26652円で引けました。12月メジャーSQ値26713円を下回って引けました。

 週始めの7日(月)は、先週末の米株3指標そろっての最高値更新を受け26894円と寄り付き高値をつけ、その後はマイナスに転じ▲203円の26547円で引けました。

 8日(火)は、前日のNYダウが5日ぶりの反落となったことで、前場、早々に▲220円の26327円まで下落するものの、下げ幅を縮小し▲85円の26467円で引けました。

 9日(水)は、前日の米国市場で3指標そろって最高値更新し、S&Pが初の3700P乗せとなったことを好感し、買い先行で始まり、一時△359円の26826円まで上昇し、終値は△350円の26817円と大幅反発となりました。

 10日(木)は、前日の米株式が3指標とも高値更新したあと反落となったことで、前日の大幅反発の反動もあり、売り先行で一時▲179円の26639円まで下げましたが、ソフトバンクの大幅高を受け下げ幅が縮小し、▲61円の26756円で引けました。

 11日(金)は、マチマチの米国株を受け、小安く始まって下げ幅を拡大し、26553円まで下げましたが、押し目を拾う動きとなって▲103円の26652円まで戻して引けました。トピックスは後場にプラス圏を回復して△5Pの1782Pとなりました。主力株が売られ中小型株が買われ出しました。騰落レシオは値上がり銘柄数が1396と値下がり数の696を大きく上回りました。先週末はメジャーSQでしたが、SQ値は26713円となっており、現物株価26652円とSQ値を下回って引けています。これは、現物株の上値の重さを感じさせます。

 週間では、1部株も2部株も6週間ぶりの反落となっており、11月からの強気相場は一服した感じとなりました。今年も残りあと3週間で、年末の一段高も期待したいところですが、11月急騰したあとの月だけに、又、コロナ感染拡大の悪化も継続しており、年末までは利益確定売りが出やすくなるとみておいた方がよいでしょう。

 週末11日(金)の米国市場では、3指標は、NYダウ△47ドル、ナスダック▲27P、S&P▲4Pとマチマチの動きとなりました。追加経済対策であるコロナ対策法案の成立が不透明なのが相場の重しとなっています。民主党はトランプ政権が提案する9180億ドルの支援策に失業保険給付が含まれないとして拒否しました。又、感染拡大も続き、死亡者数が過去最高を更新する中、NY州のクオモ知事は、14日から店内飲食を禁止すると発表しました。シカゴの日経先物は△15円の26535円でした。

先週メジャーSQを通過し、外国人もクリスマス休暇入りとなり26000~26900円のもみあいか

 今週も27000円の大台を前に足踏み状態が続くことになりそうです。注目のイベントとしては、14日の日銀短観や15~16日のFOMCが注目されますが、多少の金融緩和があっても上値の重たさは、当面は変わりそうにありません。日米ともに高値圏で推移してきており、すでに米国の場合は追加の経済対策もかなり織り込んでいるとみたほうがよいでしょう。つまり、コロナを巡る感染拡大の悪化のニュースや日米の金融イベントや主要経済指数の発表を睨んだ相場展開となるということです。特に、経済の先行きに影響を与える「GoToトラベル」運営の見直しが、ワクチンに対する期待と交錯して、上値は重い展開となります。

 日経平均は、11日(金)にメジャーSQを通過して海外投資家はクリスマス休暇に入り、商いが減少してきますので、様子見ムードが強まりやすくなります。チャートとしては上値は27000円手前では重いものの、下値では5日移動平均線(10日現在25962円)にサポートされており、底堅い動きが継続しています。

 本日14日(月)は、先週末のNYダウは小幅高で終わってましたが、△7円の26659円と小幅高で寄り付き、その後は、上げ幅を急激に拡大して26870円まで上昇しました。しかし後場になると利益確定売りに押され△79円の26732円で引けました。

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(指標)日経平均

 先週の予測では、前週末の米国市場が、追加経済対策の早期合意期待から3指標そろって最高値更新したことで、週始めは高く始まるものの、週末にメジャーSQがあるため、少し荒れた展開も考えられるとしました。追加政策の合意が現実的なものとなれば、米株高につれて日経平均も27000円を試すと想定しましたが、結果的に追加経済政策は合意に至っておらず、上値の重い展開となりました。

 日経平均は7日の寄り付きで26894円と年初来高値をピークに26327円まで下げ、その後は26500~26900円の間でもみあって26652円で引けました。12月のメジャーSQ値は26713円となり、現物の終値を上回って引けています。

 先週は12月メジャーSQを通過したものの、5営業中4日下落し、6週間ぶりの値下がりとなりました。10月から続いていた上昇相場も、いったん一服するところですので、年末相場の大きな上昇は期待できないかもしれません。日経平均の指数の上値は重いものの、先週末のトピックスの動きに示されているように銘柄の選択の幅が広がり、好業績の中小型株が物色される可能性がります。
 

 

(指標)NYダウ

 先週の予測としては、前週末の11月雇用統計の予想を大きく下回る結果を受けて、早期に追加経済対策が成立する可能性が高まり、3指標そろって最高値更新となりました。そのまま追加経済対策が成立に向かえば株価は堅調な動きとなり、成立で材料出尽くしを想定しましたが、結果的には追加経済対策は年内成立は困難となりました。

 民主党がトランプ政権の提案する9160億ドルの支援策に失業保険給付が含まれないとして拒否したからです。高値圏での警戒感からもみあいが続きそうです。

 市場では、上値は重く高値圏のもみあいが続くとみられているものの、新年に向けた新規の買いは継続するため、下値は底堅いとみる見方が多いようです。トランプ大統領が選挙の不正を疑い法廷闘争を展開していますが、14日の選挙人投票後は政局の不透明感は緩和することになり、又、ワクチンの実用化はプラス材料となってきます。但し、コロナ第3波は各州で外出規制が強化されており、当面の雇用や経済に悪影響を与えることになります。

 チャートの日足は、高値圏で丸みをつけており、上値の重さを示しているので注意が必要です。柴田罫線では、引線の終値で29400ドルを切ってくるとちょっとした調整入りとなります。
 

 

(指標)ドル/円

 先週は、ドル・円は伸び悩む動きを想定しました。その背景は10日にECBの追加緩和の発動予定、米国では15~16日のFOMCでの追加緩和が予定されており、金利が低下しドルが売られやすくなるためです。週末の11日(金)は、ドル・円は104.10円から103.82円まで下落し、104.03円で引けました。米11月生産者物価コア指数が予想を下回り、期待インフレが大きく低下して、米債利回りが低下してドル売りが強まったためです。しかし、その後、ワクチンの接種が来週にも開始されるとの期待でドル売りが後退しました。

 15~16日のFOMCでは、現行の金融緩和政策の長期化について議論されますが、早期追加緩和の可能性は低いとみられているものの、金融緩和政策の長期化観測が出ており、ドルの買いは抑制されます。103~105のレンジを想定。
 

 

配信元: みんかぶ株式コラム