上値はある程度限定的となりそう
【注目ポイント】DMI(方向性指数)の動向
【見通し1】「-DI>+DI」かつ「ADX右肩上がり」なら、「103.000円」付近までの下押しも
【見通し2】「-DI≒+DI」かつ「ADX低位置推移」なら、「103.300~104.500円」を“主戦場”とするレンジワーク
【見通し3】「+DI>-DI」かつ「ADX右肩上がり」なら、「105.000円」付近までの戻りも想定
今月9日、新型コロナウイルスのワクチン治験に関する好材料を受け、BB(ボリンジャーバンド)・-2σラインを一時下回っていた米ドル/円のローソク足が、一気にBB・+1σライン付近まで吹き上げる動き(=大陽線、上図黄色矢印)となりました。ただし、その後は同バンド付近で上値を抑制される相場展開となり、徐々に下値を切り下げる相場展開となっています。
上図チャートを見ると、1) 21日MA(移動平均線)が右肩下がりであること、2) 遅行スパンがローソク足の下方にあること、3) パラボリック・SAR(ストップ・アンド・リバース)がローソク足の上方で点灯していること、そして、4) DMI(方向性指数)で-DIと+DIが収斂する形状となっていることから、米ドル/円・日足チャートでは、緩やかな下降トレンドを示すチャート形状であると判断します。
今後、注目すべきポイントは、上述したDMIの動向(上図青色点線丸印)。
これからの時間にかけて、仮に-DIと+DIが交差し、その後-DI>+DIの乖離が拡大し、同時にADXが右肩上がりで推移するような動きとなった場合は、「相場のマイナス方向性優位」→「下押しモメンタムの強まり」となりそうです。その場合は、今月9日の大陽線出現直前の安値を基準とする「103.000円」(上図青色線)付近までの下押しを想定すべきでしょう。
一方で、-DIと+DIが引き続き収斂する形状となり、同時にADXが低位置で推移するような動きとなった場合は、「方向性ランダム(無作為性)」→「レンジワークの継続」となりそうです。その場合は、BB・-2σラインと21日MAの間のゾーンである「103.300~104.500円」を“主戦場”とする往って来いの相場付きとなりそうです。
今後、仮に+DI>-DIとなり、ADXが右肩上がり形状となるケースが出現したとしても、現状では、上述した各メルクマールが「上方硬直性相場の継続」を示唆していることから、その戻りはBB・+1σライン(≒105.000円)付近をメドとする、ある程度限定的なものになりそうです。
以上を概括すると、当面の米ドル/円は戻り売り戦略をベースとする作戦がワークしそうです。
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