NYコラム(23日)ダウ平均は強含みでスタートか⁈−FDAがレムデシビルをコロナ治療薬に承認

著者:加藤裕一
投稿:2020/10/23 22:23

NY株式市場(23日)大統領選挙前最後のテレビ討論会を通過−ムニューシン ・ペロシ協議に注目

23日のニューヨーク株式市場でダウ平均は強含みで取引が始まりそうだ。

追加経済対策をめぐるムニューシン財務長官とペロシ下院議長の協議が、23日も継続されることから大統領選挙前の合意期待は続きそうな寄り付きとなろう。

FDA=アメリカ食品医薬品局は製薬大手ギリアド・サイエンシズの「レムデシビル」を新型コロナウイルスの治療薬として承認した。アメリカで新型コロナ治療薬が初めて正式承認されたことも相場全体の下支え要因として挙げられよう。

一方で本格化している主力企業の決算発表では、前日の夕方に低調な決算を発表したインテルが時間外で急落しており、ダウ平均の重しとなろう。来週にかけてGAFAを筆頭にIT・ハイテク企業が相次いで決算発表することから、朝方の売買が一巡した後は、様子見姿勢が根強い相場環境となりそうだ。

トランプ大統領と民主党のバイデン候補による投票前最後のテレビ討論会が22日に開催された。テレビ討論会終了後の世論調査では、バイデン候補が優勢な情勢に変わりはない。トランプ大統領は、接戦州で盛り返しの兆しが見られており、アメリカ大統領選挙は、依然として混沌としたまま選挙戦の最終盤に突入した格好だ。

23日のニューヨーク株式市場では、注目されていた大統領選挙前最後のテレビ討論会を通過したことから、改めてムニューシン財務長官とペロシ下院議長の協議の行方に関心が集まりそうだ。協議の行方次第で相場の地合いに変化がもたらされそうなことから、引き続き、固唾を飲んで見守る1日となる。

加藤裕一
米国株ストラテジスト
配信元: 達人の予想