~M&Aも含めて事業の組み換えが本格化、収益力も向上へ~
【ポイント】
・イワキのビジネスモデル(価値創造の仕組み)が大きく変貌しようとしている。CMC(スペラファーマ)のプラットフォームを軸に、ニッチトップを目指す。間もなく第2ステージに入ってくるので、業績も大きく伸びてこよう。
・買収したスペラファーマをコアに、事業の新規拡大が進展しつつある。医薬品の開発・製造(CDMO)では、塗り薬に加えて、注射剤分野へ展開できよう。日立化成からの事業譲受、かつて武田薬品工業の事業部門であった企業の買収、鳥居薬品の工場の買収を実行した。投資額は全体で84億円、のれんの償却を入れても営業利益の拡大余地は大きい。
・2020年3月に医薬品のCMC研究開発に特化したスペラファーマを武州製薬から買収した。製薬メーカーが新薬を開発した後、新薬の原料・原薬の製造方法の開発や品質管理を担う機能がCMC(Chemistry Manufacturing and Control)である。取得価額は63億円、売上高63億円、営業利益6億円の会社である。CMCの需要は旺盛で、医薬品原料事業とのシナジーもあり有望である。また、2020年7月に日本たばこの子会社である鳥居薬品から、同社の佐倉工場を買収した。自社の外皮用剤とのシナジーはすぐに見込め、注射剤の基盤も確保した。
・1)抗がん剤向けなどの高活性原薬や中間体などAPI(有効成分)分野の強化、2)CMC研究開発受託事業の拡大、3)医薬品原料の合成技術の応用も含めた高純度の電子材料や、パワー半導体分野での新しい表面処理薬品、4)シルバー世代に強みを持つ通販化粧品分野などをリード役に、今後も事業投資が活発化しよう。
・2021年6月を目途に持株会社化を進める。商社から研究開発型製造機能へのシフトを進めており、製造比率は40%以上に上昇しよう。2022年11月期までの3ヵ年計画(売上高750億円、営業利益32億円、ROIC 8.5%)は、今回のM&Aで達成の確度が高まっている。コロナの影響は出ているが、来2021年11月期は再びピーク利益の更新が続こう。収益力は継続的に向上していく。当社のCX(企業変革)が評価され、PBRも早晩1.0倍を超えてこよう。
目 次
1.特色 医薬品、医薬品原料、化学品で製造機能を強化
2.強み ジェネリック医薬品及び原料が大きな収益源
3.中期経営計画 10年ビジョンVision“i-111”で収益力向上を目指す
4.大型M&Aと組織再編 スペラファーマ買収を機に持株会社化を推進
5.当面の業績 ピーク利益の更新が続こう
6.企業評価 収益力向上の新たな道筋が見えてきた
企業レーティング | A |
---|---|
株価 (2020年10月20日) |
539円 |
時価総額 | 187億円 (34.636百万株) |
PBR | 0.83倍 |
ROE | 8.4% |
PER | 9.8倍 |
配当利回り | 2.6% |
総資本 | 55428百万円 |
純資産 | 21353百万円 |
自己資本比率 | 38.5% |
BPS | 647.7円 |
決算期 | 売上高 | 営業利益 | 経常利益 | 当期純利益 | EPS | 配当 |
---|---|---|---|---|---|---|
2011.11 | 53797 | 1215 | 1316 | 1619 | 53.9 | 7.0 |
2012.11 | 51953 | 1126 | 1292 | 728 | 21.6 | 6.0 |
2013.11 | 52465 | 1007 | 1144 | 744 | 22.0 | 6.0 |
2014.11 | 54145 | 890 | 962 | 496 | 14.7 | 7.5 |
2015.11 | 55422 | 559 | 694 | -143 | -4.3 | 6.0 |
2016.11 | 55121 | 977 | 1071 | 8 | 0.3 | 6.0 |
2017.11 | 57387 | 1571 | 1778 | 1241 | 37.9 | 7.5 |
2018.11 | 60083 | 1849 | 2000 | 1414 | 43.8 | 10.5 |
2019.11 | 61647 | 2121 | 2318 | 1533 | 47.0 | 13.0 |
2020.11(予) | 64000 | 1800 | 1850 | 1800 | 55.0 | 14.0 |
2021.11(予) | 71000 | 2700 | 2800 | 1820 | 55.2 | 16.0 |
(2020.8ベース)
(注)ROE、PER、配当利回りは今期予想ベース。2011.11期はメルテックス合併記念配1円、2014.11期は創業100周年記念配1.5円を含む。
企業レーティングの定義:当該企業の、(1)経営者の経営力、(2)事業の成長力・持続力、(3)業績下方修正の可能性、という点から定性評価している。A:良好である、B:一定の努力を要する、C:相当の改善を要する、D:極めて厳しい局面にある、という4段階で示す。
レポート全文はこちらから
http://www.belletk.com/iwaki202010.pdf
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銘柄 | 株価 | 前日比 |
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8095
|
498.0
(15:30)
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(-0.59%)
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