NY株式市場(12日)アストラゼネカのコロナ治療薬臨床試験が最終段階入りへ−今週から米企業決算が本格化へ
12日のニューヨーク株式市場でダウ平均は、底堅い寄り付きを迎えそうだ。
先週末に行われた協議が物別れに終わったムニューシン財務長官とペロシ下院議長は、今週もさらに協議を継続する見通しだ。週末には米国家経済会議のクロドー委員長が、与野党間で隔たりが大きい経済支援策の規模をトランプ政権が引き上げる可能性を示唆したという。引き続き、週明けも経済対策協議の進捗に対する期待感は根強くなりそうだ。
取引開始前には、OECD=経済協力開発機構が、世界的な巨大IT企業に対する新たな課税ルールの合意時期を当初の年末から来年半ばまで先送りした。今回の決定事案は、14日に開かれるG20財務相・中央銀行総裁会議に報告されるという。12日のニューヨーク株式市場は、時間外取引ですでに軒並み上昇している主力IT・ハイテク株中心に相場全体が持ち上げられよう。個別銘柄では、13日にiPhoneイベントを控えたアップルが時間外取引で堅調に推移していることは、ダウ平均の押し上げに寄与するものと見ている。
新型コロナウイルスの治療薬開発を巡って英製薬会社アストラゼネカは、コロナ抗体治療薬の大規模な臨床試験が最終段階に進むことを明らかにした。今後数週間以内に6000人規模で投与されると発表したことも、ダウ平均の支援材料として意識されよう。
今週は、火曜日のJPモルガンやシティーグループ、コロナ治療薬で注目されるジョンソン・アンド・ジョンソンなどを皮切りに主力企業の決算発表が本格化するほか、コロナ感染後の検査結果が「陰性」になったことを自ら公表したトランプ大統領は、12日に選挙集会のためフロリダ州入りする。一方で民主党のバイデン候補はオハイオ州で選挙集会を開催することになっており、投票日まで残り3週間に迫った大統領選挙の選挙戦をめぐるニュース・フローも、しっかりとカバーしていく一日となる。
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