今週は、米国株式次第で23600円を超えられるかどうか

著者:出島 昇
投稿:2020/09/14 18:35

先週は、週半ば米株安を受けて23000円割る場面もあるが、すぐに23000円台回復

 先週の予測は、基本は前週と同じく23000~23600円の中のもみあいを想定し、23000円台での値固めができるかどうかに注目とし、そのためのポイントとして米株式と為替に大きな波乱がないこととしました。米株式は主力ハイテク株の利益確定による大きな下げが止まるかどうか、為替は1ドル=106円台前半での動きを維持できるかどうかとなります。

 結局、為替は106円台前半を維持し、米国株も一度は主力ハイテク株の引き続き急落があって、一時23000円をザラ場で割る場面があったものの、すぐに盛り返し週末は23400円台で引けました。

 9月7日(月)は、前週末の米国株式が前日に続く主力ハイテク株の利益確定売りで一時、NYダウは▲628ドルまで下げましたが、▲159ドルの28133ドルとなり、主要3指標そろって下落となったことで、日経平均は▲59円の23145円で寄り付き、一時▲118円の23086円まで下げて▲115円の23089円と続落しました。

 8日(火)は、前日の米国市場は休場でしたが、欧州株式が軒並み上昇したことで、△39円の23129円を安値に徐々に盛り返し、後場になると時間外でのNYダウ先物高が支えとなって、一時△187円の23277円まで上昇し、終値は△184円の23274円と3日ぶりの反発でした。

 9日(水)は前日の米国市場でS&P採用が見送りとなったテスラが20%近い下落となり、つれて主力ハイテク株が引き続き急落となり、NYダウは▲632ドルの27500ドル、ナスダックは▲465P、S&Pは▲95Pと3指標大幅下落となったことで、日経平均も前場は▲395円の22878円まで下げて、▲365円の22908円と23000円を割り込みました。しかし、後場になると日銀のETF買い観測を支えに下げ渋り、時間外でのナスダック先物が持ち直したことで、▲241円の23032円とかろうじて23000円台を回復して引けました。

 10日(木)になると、前日の米国市場で急落した主力ハイテク株に押し目買いが入り、3指標そろって大幅反発となったことで、日経平均は△160円の23193円で寄り付き、△210円の23242円まで上昇するものの、買い一巡後は戻り待ちの売りで上げ幅を縮小するものの、後場になると時間外での米株先物が再上昇したことで、もみあいながら上げ幅を拡大し、△202円の23235円と大幅反発で引けました。

 週末の11日(金)は、前日の米国株式は主力ハイテク株が再び売られ、追加経済対策を巡る与野党協議難航で3指標そろって大幅反落。これを受けて日経平均は▲120円の23114円で寄り付くとすぐに上げに転じ、この日の前場は△68円の23304円、後場は時間外の米株先物の上昇が支えとなり、△171円の23406円で引けました。この日のメジャーSQは23272円でしたが、終値は23406円でしたので、今週は上値は重いものの下値は限定的と思われます。

 11日(金)の日本市場の引け後の米国株式は、前日の下落の反動や8月消費者物価指数の予想を上回る結果を受けて上昇スタートとなりました。しかし、又、主力ハイテク株の売りが強まり、ナスダック中心に大きく下げました。NYダウは△294ドルまで上げたあと、▲86ドルまで下げ△131ドルの27664ドルで引けましたが、ナスダックは▲66Pとマチマチの動きとなりました。シカゴの日経先物は▲10円の23190円でした。

今週は、米国株式次第で23600円を超えられるかどうか

 今週も23000円水準での値固めが続きそうです。これまでは米株の上昇と為替に支えられて日経平均も上昇してきましたが、米国市場ではハイテク株が過熱感からり利益確定売りでの急落が続き、NYダウは高値圏での上値の重いもみあいとなっています。

 このNYダウの動きのわりには、日経平均はこの2週間は23000円を守っています。新政権と経済回復への期待です。管官房長官が予想通り選出されれば、アベノミクス継続(日銀の大規模緩和策など)となり、追加の緩和策の期待も高まり、又、コロナ感染状況の警戒レベルの引き下げ、10月1日よりGO TOトラベルの東京の組入れなど景気の回復期待も出てきます。

 柴田罫線のチャートをみると、これまで昨年の11月から今年の2月のコロナ急落相場までの間は、23100~23600円のゾーンが上値のフシになっているとして、ここを一気にぬけないといってきました。しかし、9月3日に23580円まで上昇して、いったんコロナ急落相場前の水準に戻してもみあって上値だったフシを解消していきていますので、次に23580円を突破すれば24000円が視野に入ってくることになります。もちろん米国株式と為替がある程度安定していることが条件となります。

 本日14日(月)は、先週末のNYダウの上昇を受けて、△25円の23431円と小幅高で寄り付き、その後、すぐに23550円あたりまで上昇し、後場も高値を維持し、△152円の23559円と高値引けとなりました。

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(指標)日経平均

 先週は、米国株式が主力ハイテク株の利益確定売りがさらに強まらない限り23000~23600円の中でもみあって23000円台値固めを想定しました。

 結果的には、3連休明けの米国株式は主力ハイテク株の利益確定売りが続き、3指標大幅下落となったことで9月9日(水)は、前場は▲365円の22908円と23000円を割り込みましたが、後場になると盛り返し▲241円の23032円と23000円を回復しました。その後、米国株式は主力ハイテク株に押し目買いが入って反発し、もみあいとなりましたが日経平均はETF買いのサポートもあり、23000円台で戻りを試し、週末の11日(金)は△171円の23406円となりました。メジャーSQ値は23272円でしたが終値は23406円でしたのでSQ値を上回って引けました。

 チャートの動きは、2週連続で23000円台を維持しました。一時23000円を割ることはあっても日経平均の指数に影響を与える値ガサ株の影響はあっても、他の銘柄は堅調となっています。例えば9月7日(月)の日経平均は▲115円の23089円でしたが、この下げの大半をソフトバンクと東京エレクトロンの2銘柄が占めています。23000円台でのもみあいが続く中で、柴田罫線をみると昨年の11月から今年の2月のコロナ急落相場前までが23100~23600円がフシとなっていましたが、9月3日には23580円まで上昇してコロナ急落前の水準に戻したあと、もみあっているので次にここを突破すると24000円が視野に入ってきます。米国の主力ハイテク株の落ち着きや追加経済対対策への与野党の合意待ちとなるのか、それとも国内での上昇材料(自民党の支持率上昇、コロナ感染状況の警戒レベルの引き下げなど)がキッカケとなるのかどうかとなります。為替相場の落ち着きもプラス材料です。
 

 

(指標)NYダウ

 先週の予測では、年を通して9月相場は弱いため要注意の月としました。今週は追加の経済対策で民主党と共和党の協議が難航しており、また主力ハイテク株の利益確定売りも落ち着いているため、不透明感の状態が続くとしました。

 結果的に、3連休明けの9月8日(火)は、S&P採用銘柄が見送られたテスタが急落し、主力ハイテク株が引き続き急落し、NYダウは▲632ドルの27500ドルでした。翌日、主力ハイテク株に押し目買いが入って、NYダウは△439ドルと反発するものの、次の日の10日(木)には▲405ドルの27534ドル、週末は△131ドルの27665ドルで終わり大きな上下動となりました。

 NYダウは、天井圏での上値の重い展開が続きそうです。追加の経済救済策は、共和党と民主党の支援策の見解の相異が大きく選挙を控えて歩み寄りみられず合意が後退しています。又、トランプ政権による中国アプリ、ティックトック売却問題や中国留学生の旅券発行制限問題など、米中関係の悪化が深まっています。支援材料はFRBによる長期に渡る大規模緩和の維持であり、15~16日のFRBによるFOMC開催でのパウエル議長の発言が注目となります。
 

 

(指標)ドル/円

 先週の予測では、FRBが9月15~16日のFOMCで追加の量的緩和策を検討していおり、金利の先高感は後退することになり、ドル売り・円買いとなるが同時にECBの緩和策拡大でユーロ売り・ドル買いが増えれば、ドル・円はもみあいとなるとしました。

 結果的に先週前半は106.38円までのドル高に振れたものの、米中対立激化懸念で米国金利の先高感は後退し、ドル売り・円買いが優勢となり、週末の11日は106.16円で引けました。

 今週も106円水準でのもみあいが想定されます。9月15~16日のFRBによるFOMCの会合で追加の金融緩和につながる議論が活発化すれば米国金利の先高感がさらに後退し、ドル売り・円買い圧力となる一方、国内では管官房長官が予想通り選出されれば、アベノミクスの継続(日銀の大規模緩和策など)されるので、リスク回避の円買いは後退するため、ドル・円はもみあいが続くことになりそうです。105~107円のレンジを想定。
 

 

配信元: みんかぶ株式コラム