■要約
ファーストコーポレーション<1430>は、マンション建設に特化した建設会社。創業は2011年6月と歴史が浅いが、2015年3月に東証マザーズに上場したのに続き、2016年12月には東証1部市場に指定替えと、創業からわずか5年半で1部上場企業になるスピード上場を果たし、文字どおりの急成長を遂げた。
社是は「より良質な住宅を供給し、豊かな住環境に貢献する」で、「安全・安心・堅実」をモットーに事業を展開している。主要事業エリアをマーケットの将来性が高い、東京圏(1都3県)としており、そこで分譲マンション建設に特化し、工事請負を主として事業を推進してきた。最近では、九州支店を開設し、九州及び広島、沖縄など周辺地域を新たな事業エリアとして開拓しようとしている。
成長の背景にあるのは「造注方式」と呼ぶ事業モデル。これは開発部隊がマンション用地を仕入れ、企画、設計を行い事業主に提案、特命で工事を受注して施工し引き渡す方式だ。これによって、主体的に企画提案を行うことができるため、競争入札で建設工事を受注する場合と比較して契約条件が良くなることから、事業運営の効率化や安定した利益確保が可能となる。
ゼネコンとして、土地開発の専任部隊を有し、これが強みとなっているほか、スピーディーな決裁プロセスによって、競合に対し優位に立つ。同社が主戦場としている東京圏においては、なお、市場開拓余地は大きく、この「造注方式」を活用することによって、中長期的には成長が見込まれる。
物件に関して、今後は再開発事業に力を注ぐ考え。これは毎年コンスタントな収益確保が見込まれることから、安定的な収益基盤の確立につながる。既に走り始めた案件もあり、今後の収益源として期待できそうだ。一方、アクティブシニア向けのマンションの建設にも注力しており、この分野を新たにカテゴライズし、事業として育てていく方針だ。
2020年5月期決算は、売上高が前年同期比23.2%増の23,418百万円、営業利益が同28.5%減の1,342百万円、経常利益は同30.8%減の1,297百万円、当期純利益は同31.6%減の872百万円と増収減益となった。用地の売却が寄与する一方、利益面では造注案件の減少で利益率がダウン。ただ、計画値をほぼ達成することはできた。
2021年5月期の通期見通しは、売上高が前期比9.9%減の21,100百万円、営業利益が同11.7%増の1,500百万円、経常利益が同9.5%増の1,420百万円、当期純利益は同9.5%増の955百万円と減収増益を見込んでいる。
■Key Points
・2020年5月期決算は計画をほぼ達成
・再開発事業の開花で立ち直りに弾みも
・1都3県の市場開拓余地はまだまだ大きい
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水野文也)
<KS>
ファーストコーポレーション<1430>は、マンション建設に特化した建設会社。創業は2011年6月と歴史が浅いが、2015年3月に東証マザーズに上場したのに続き、2016年12月には東証1部市場に指定替えと、創業からわずか5年半で1部上場企業になるスピード上場を果たし、文字どおりの急成長を遂げた。
社是は「より良質な住宅を供給し、豊かな住環境に貢献する」で、「安全・安心・堅実」をモットーに事業を展開している。主要事業エリアをマーケットの将来性が高い、東京圏(1都3県)としており、そこで分譲マンション建設に特化し、工事請負を主として事業を推進してきた。最近では、九州支店を開設し、九州及び広島、沖縄など周辺地域を新たな事業エリアとして開拓しようとしている。
成長の背景にあるのは「造注方式」と呼ぶ事業モデル。これは開発部隊がマンション用地を仕入れ、企画、設計を行い事業主に提案、特命で工事を受注して施工し引き渡す方式だ。これによって、主体的に企画提案を行うことができるため、競争入札で建設工事を受注する場合と比較して契約条件が良くなることから、事業運営の効率化や安定した利益確保が可能となる。
ゼネコンとして、土地開発の専任部隊を有し、これが強みとなっているほか、スピーディーな決裁プロセスによって、競合に対し優位に立つ。同社が主戦場としている東京圏においては、なお、市場開拓余地は大きく、この「造注方式」を活用することによって、中長期的には成長が見込まれる。
物件に関して、今後は再開発事業に力を注ぐ考え。これは毎年コンスタントな収益確保が見込まれることから、安定的な収益基盤の確立につながる。既に走り始めた案件もあり、今後の収益源として期待できそうだ。一方、アクティブシニア向けのマンションの建設にも注力しており、この分野を新たにカテゴライズし、事業として育てていく方針だ。
2020年5月期決算は、売上高が前年同期比23.2%増の23,418百万円、営業利益が同28.5%減の1,342百万円、経常利益は同30.8%減の1,297百万円、当期純利益は同31.6%減の872百万円と増収減益となった。用地の売却が寄与する一方、利益面では造注案件の減少で利益率がダウン。ただ、計画値をほぼ達成することはできた。
2021年5月期の通期見通しは、売上高が前期比9.9%減の21,100百万円、営業利益が同11.7%増の1,500百万円、経常利益が同9.5%増の1,420百万円、当期純利益は同9.5%増の955百万円と減収増益を見込んでいる。
■Key Points
・2020年5月期決算は計画をほぼ達成
・再開発事業の開花で立ち直りに弾みも
・1都3県の市場開拓余地はまだまだ大きい
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水野文也)
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