NYコラム(14日)ダウ平均は売り優勢で取引スタートへ−米中協議への警戒感でリスクオフムード強まるか⁈

著者:加藤裕一
投稿:2020/08/14 22:19

NY株式市場(14日)ダウ平均は欧州株安で軟調な地合いか⁈−7月小売売上高は市場予想を下回る

14日のニューヨーク株式市場でダウ平均は売り優勢で取引が始まりそうだ。

今年1月に第1段階で合意した貿易交渉に関する閣僚級協議を15日に控えたアメリカと中国は、香港や台湾、TicTtokを始め事実上の禁輸をめぐる例外措置が13日に期限を迎えたファーウエイ問題などをめぐり激しい駆け引きが続いている。ダウ平均は、週末の米中協議の行方に警戒感が高まっていることから、一旦手仕舞い売りが出やすい寄り付きとなりそうだ。

同時にアメリカ議会では新型コロナウイルス対策第4弾をめぐる与野党協議がまとまらずに行き詰まりを見せていることも積極的な買いを見送らせる要因となろう。

日本時間の夕方から始まったヨーロッパ株式市場は、イギリスがロックダウン後で最悪の感染者数を出したフランスなどからの入国者に新たな自主隔離政策を導入したことから軒並み安となっていることもリスクオフムードを誘う格好となっている。

一方で取引開始前に発表された7月の小売売上高は、前月比で1.2%増加と市場予想(2.1%増)を下回った。ただ、変動の大きい自動車やガソリンを除くと前月比1.5%増加と市場予想(1.0%増)を上回ったほか、前月比=6月分は上方修正(7.5%増→8.4%増)されたことから、全体的に強い内容となったことは相場の下支え要因として挙げられよう。

加藤裕一
米国株ストラテジスト
配信元: 達人の予想