リスク選好の雰囲気もドル売り根強くドル円の上値重い=NY為替

著者:MINKABU PRESS
投稿:2020/08/06 00:48
 きょうのNY為替市場でドル円は再び上値の重い展開が見られており、105.35円付近まで値を落としている。米株や原油が上昇しているほか、きょうは米国債利回りも上昇しており、リスク選好の雰囲気も見られている。そのような中で為替市場でのドル売りの動きが根強く、ドル円の上値を圧迫している。

 この日発表のISM非製造業景気指数は3ヵ月連続での改善を示し予想も上回った。発表直後は素直にドル買いの反応もみられたものの、すぐにドル売りに転じており、ドル安の動きに変化はない。

 米国では感染第2波が依然として収束の気配を見せず、フロリダ州の感染者は50万人を超えている。そのような中で欧州など他の地域よりも米経済は景気回復が遅れるのではとの見方がドルを圧迫しているようだ。FRBの追加緩和措置への期待も根強い。追加経済対策についても、失業給付金の上乗せ措置が既に期限切れとなっている中、協議は依然として難航していることもドルを圧迫しているとの声も聞かれる。ただ、これについてはムニューシン米財務長官は今週中に成立させるとの楽観的な見通しを示していた。

 一部からは各国が外貨準備のドルの割合を引き下げているのではとの指摘も出ている。パンデミック対応の巨額財政支出拡大やFRBの大規模緩和政策、米中対立もエスカレートが見られる中で、ドル建て資産を減らす動きが出ているのかもしれないとの声も聞かれる。

 ドル円は下値では日本の投資家などの買いも観測されているものの、株高にもかかわらず、円安がサポートすることもなく、上値の重い展開に変化はないようだ。

USD/JPY 105.45

MINKABU PRESS編集部 野沢卓美

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