■ODKソリューションズ<3839>の事業概要
1. 直近では医療やAI、カスタマーサクセスの分野へ進出
手掛ける事業は、学校法人、証券会社をはじめとした金融機関、一般事業会社等に対するシステム運用、システム開発及び保守と機械販売の3つ。なお、子会社エフプラスはスマートフォン・タブレット端末向けアプリケーション開発や金融関連システムソリューションを手掛ける。2020年3月期の事業別売上高構成比(単体)は、システム運用94.2%、システム開発4.0%、機械販売1.8%となっており、安定性の高いシステム運用のウエイトが極めて高い。
業務別では、教育業務、証券・ほふり業務、一般業務、金融業務の4分類としていたが、同社創立以来続いていた大阪証券金融(現日本証券金融)向け業務については、2019年3月期の第1四半期を最後に運用業務が終了となった。2020年3月期以降は、主力の教育業務、証券・ほふり業務に加え、医療領域と新規ビジネス領域を含めた一般業務を第3の成長ドライバーと位置付け、事業拡大を図っている。なお、2020年3月期の業務別売上高構成比(単体)は教育業務62.8%、証券・ほふり業務19.5%、一般業務17.8%。主力業務は、教育業務と証券・ほふり業務だが、近年は医療やAI、カスタマーサクセスの分野へ進出し、一般業務の売上高構成比が大幅に拡大していることから、今後の成長ドライバーの1つとして捉えている。
2. 教育業務
主に4年制大学向け入学試験業務、入学試験広報支援業務、Web出願等に関する情報処理アウトソーシングサービスを提供。2016年からは、日本初となる学校横断型の受験ポータルサイト『UCARO(R)(ウカロ)』※を提供している。また、2019年12月からは保護者向けの『UCARO(R) family』の提供も開始。提供開始1ヶ月足らずで約1万人が登録。そのほか、模擬試験業務やiOSやAndroidをベースとした教育コンテンツのアプリケーション開発・販売も手掛ける。
※受験の各プロセスを大学間で共通化することで、受験生の負荷軽減・利便性向上と、大学の入試業務効率化とコスト削減を実現するというメリットがある。同社では、各大学が入試プロセスごとに運用しているWebシステムを『UCARO(R)』に集約することにより、大学と学生をつなぐ総合的な受験ポータルサイトへ育成することを目指している。
1960年代から蓄積されたノウハウを保有することに加えて、入試広報支援から文部科学省への報告資料の作成まで入試に関わるすべての業務を一括受託できるのが特長で最大の強みでもある。2020年3月期は延べ約360万人と推定される私立大学受験者の約3分の1に当たる約116万人の志願者データを処理。処理志願者数は13期連続して大学入試センターの志願者数を上回る実績となっており、処理件数のシェアは民間企業でトップ。
2020年3月期末時点における入試アウトソーシングサービスの受託校数は42校(大学39校、短大・専門学校等3校)、Web出願システム73校。これまで入学試験に絡んだ業務は通常学内処理されており、民間企業との競合は少ない。また、ICT活用機運の高まりもあり、近年ではアウトソースする動きが活発化している。
3. 証券・ほふり業務
証券会社のバックオフィス業務をトータルサポートする証券総合システム『SENS21』※1、不公正売買監視システム『Watch21』、証券会社等と証券保管振替機構(ほふり)との接続業務等に関するシステムとその他周辺システムを提供する。加えて、マイナンバー管理システム※2等も提供する。
※1 創業以来培ってきた証券業務の知識と技術ノウハウを駆使し、自社開発したシステム。注文から決済に至る証券取引について証券会社に代わってデータ処理を行う。制度変更等の環境変化にも迅速に対応できる。
※2 SBI-BSと協業し、システムを共同開発、共同で運用を行う。ユーザーニーズに合わせて、ASPサービス (マイナンバー管理システムの運用によるマイナンバーの保管・管理)とオンプレミスサービス(ユーザーにシステムを導入し、両社が保守・サポートを行う)を提供する。
大阪証券金融(現日本証券金融)とだいこう証券ビジネスのシステム開発・運用を約半世紀にわたり手掛け、蓄積してきた証券バックオフィス、証券代行事務のノウハウを活用し、ユーザーニーズに対応できる機動性と事務代行支援ができること等が強みとなっている。2020年3月末時点のユーザー数は、『SENS21』4社、『Watch21』2社、『ほふり接続システム』21社、証券周りの周辺サービス10社、マイナンバー関連サービス24社。
4. 一般業務
2017年3月期に開始したファルコバイオシステムズの臨床事業システムの運用業務や、クラウド型の電子カルテの開発・導入支援等、医療関連サービスを提供。その他、直近ではカスタマーサクセス関連サービスといった新分野への進出にも注力している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 山田秀樹)
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1. 直近では医療やAI、カスタマーサクセスの分野へ進出
手掛ける事業は、学校法人、証券会社をはじめとした金融機関、一般事業会社等に対するシステム運用、システム開発及び保守と機械販売の3つ。なお、子会社エフプラスはスマートフォン・タブレット端末向けアプリケーション開発や金融関連システムソリューションを手掛ける。2020年3月期の事業別売上高構成比(単体)は、システム運用94.2%、システム開発4.0%、機械販売1.8%となっており、安定性の高いシステム運用のウエイトが極めて高い。
業務別では、教育業務、証券・ほふり業務、一般業務、金融業務の4分類としていたが、同社創立以来続いていた大阪証券金融(現日本証券金融)向け業務については、2019年3月期の第1四半期を最後に運用業務が終了となった。2020年3月期以降は、主力の教育業務、証券・ほふり業務に加え、医療領域と新規ビジネス領域を含めた一般業務を第3の成長ドライバーと位置付け、事業拡大を図っている。なお、2020年3月期の業務別売上高構成比(単体)は教育業務62.8%、証券・ほふり業務19.5%、一般業務17.8%。主力業務は、教育業務と証券・ほふり業務だが、近年は医療やAI、カスタマーサクセスの分野へ進出し、一般業務の売上高構成比が大幅に拡大していることから、今後の成長ドライバーの1つとして捉えている。
2. 教育業務
主に4年制大学向け入学試験業務、入学試験広報支援業務、Web出願等に関する情報処理アウトソーシングサービスを提供。2016年からは、日本初となる学校横断型の受験ポータルサイト『UCARO(R)(ウカロ)』※を提供している。また、2019年12月からは保護者向けの『UCARO(R) family』の提供も開始。提供開始1ヶ月足らずで約1万人が登録。そのほか、模擬試験業務やiOSやAndroidをベースとした教育コンテンツのアプリケーション開発・販売も手掛ける。
※受験の各プロセスを大学間で共通化することで、受験生の負荷軽減・利便性向上と、大学の入試業務効率化とコスト削減を実現するというメリットがある。同社では、各大学が入試プロセスごとに運用しているWebシステムを『UCARO(R)』に集約することにより、大学と学生をつなぐ総合的な受験ポータルサイトへ育成することを目指している。
1960年代から蓄積されたノウハウを保有することに加えて、入試広報支援から文部科学省への報告資料の作成まで入試に関わるすべての業務を一括受託できるのが特長で最大の強みでもある。2020年3月期は延べ約360万人と推定される私立大学受験者の約3分の1に当たる約116万人の志願者データを処理。処理志願者数は13期連続して大学入試センターの志願者数を上回る実績となっており、処理件数のシェアは民間企業でトップ。
2020年3月期末時点における入試アウトソーシングサービスの受託校数は42校(大学39校、短大・専門学校等3校)、Web出願システム73校。これまで入学試験に絡んだ業務は通常学内処理されており、民間企業との競合は少ない。また、ICT活用機運の高まりもあり、近年ではアウトソースする動きが活発化している。
3. 証券・ほふり業務
証券会社のバックオフィス業務をトータルサポートする証券総合システム『SENS21』※1、不公正売買監視システム『Watch21』、証券会社等と証券保管振替機構(ほふり)との接続業務等に関するシステムとその他周辺システムを提供する。加えて、マイナンバー管理システム※2等も提供する。
※1 創業以来培ってきた証券業務の知識と技術ノウハウを駆使し、自社開発したシステム。注文から決済に至る証券取引について証券会社に代わってデータ処理を行う。制度変更等の環境変化にも迅速に対応できる。
※2 SBI-BSと協業し、システムを共同開発、共同で運用を行う。ユーザーニーズに合わせて、ASPサービス (マイナンバー管理システムの運用によるマイナンバーの保管・管理)とオンプレミスサービス(ユーザーにシステムを導入し、両社が保守・サポートを行う)を提供する。
大阪証券金融(現日本証券金融)とだいこう証券ビジネスのシステム開発・運用を約半世紀にわたり手掛け、蓄積してきた証券バックオフィス、証券代行事務のノウハウを活用し、ユーザーニーズに対応できる機動性と事務代行支援ができること等が強みとなっている。2020年3月末時点のユーザー数は、『SENS21』4社、『Watch21』2社、『ほふり接続システム』21社、証券周りの周辺サービス10社、マイナンバー関連サービス24社。
4. 一般業務
2017年3月期に開始したファルコバイオシステムズの臨床事業システムの運用業務や、クラウド型の電子カルテの開発・導入支援等、医療関連サービスを提供。その他、直近ではカスタマーサクセス関連サービスといった新分野への進出にも注力している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 山田秀樹)
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