■今後の見通し
2. 中期経営計画について
(1)前中期経営計画の振り返り
前中期経営計画(2018年3月期~2020年3月期)の振り返りとして、ソフト99コーポレーション<4464>ではテーマとしてきた“新市場に向けた各種施策”については、一定の成果を得られたものの、全体としては道半ばの状況であったとの評価を行っている。成果が得られた点としては、自動車分野における海外市場、業務用製品での売上拡大、産業分野では付加価値の高い半導体分野での売上拡大、生活分野ではポーラスマテリアル事業における生活資材の売上拡大などが挙げられる。一方で、TPMSの売上拡大ペースが想定を下回ったほか、自社製品のEC販売の取り組みに関してはほとんど成果が挙げられず、その他の施策についても課題を残す結果となった。
また、経営数値目標について見れば、最終年度目標(売上高25,000百万円、営業利益2,700百万円、営業利益率10.8%、ROA5.2%、ROE4.0)に対して、売上高は24,434百万円、営業利益2,421百万円、営業利益率9.9%、ROA4.7%、ROE3.8%とすべてにおいて目標値を下回る結果となっている。3年前の発表時点では目標値のハードルとしては達成可能な水準と見ていたが、新型コロナウイルス感染症の影響や自動車整備・鈑金事業の想定以上の低迷、ファインケミカル事業における産業用途の開拓遅れ、TPMS事業の売上未達などが要因となっている。また、費用面で将来の成長を見据えた人材確保や各種投資を前倒しで進めたことも未達要因として挙げられる。
(2)第6次中期経営計画の概要
2021年3月期からスタートする第6次中期経営計画では、前中期経営計画で進めてきた新たな製品・サービス開発の継続に加えて、「Overtake!!(顧客変化を追い越せ!!)」をテーマとし、顧客(ユーザー)変化に対応するのではなく、顧客(ユーザー)の変化を先取りした価値の創出によって、事業領域の拡張と業容の拡大を目指していく。また、既存技術・ノウハウの横展開に加えて、新たな技術・ノウハウを取り込み、“他にない”新しい価値と事業の創出に取り組んでいく方針だ。
経営数値目標としては最終年度となる2023年3月期に、売上高で27,100百万円(年平均成長率3.5%)、営業利益で2,850百万円(同5.6%)を掲げた。2021年3月期については既述の通り減益見込みとなるが、2022年3月期からの成長を目指す。また、経営指標では新たに事業運営の効率性を占めるROICをKPIとして採用し、2021年3月期の5.3%から2023年3月期は6.1%まで引き上げていく方針だ。同社の資本コストとしてはおよそ4.5~5.0%を想定している。また、ROEに関しても2021年3月期の3.5%から4.0%の水準を目指す。いずれも2019年3月期並みの水準となり、市場環境が順調であれば達成可能な水準と弊社では見ている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
<YM>
2. 中期経営計画について
(1)前中期経営計画の振り返り
前中期経営計画(2018年3月期~2020年3月期)の振り返りとして、ソフト99コーポレーション<4464>ではテーマとしてきた“新市場に向けた各種施策”については、一定の成果を得られたものの、全体としては道半ばの状況であったとの評価を行っている。成果が得られた点としては、自動車分野における海外市場、業務用製品での売上拡大、産業分野では付加価値の高い半導体分野での売上拡大、生活分野ではポーラスマテリアル事業における生活資材の売上拡大などが挙げられる。一方で、TPMSの売上拡大ペースが想定を下回ったほか、自社製品のEC販売の取り組みに関してはほとんど成果が挙げられず、その他の施策についても課題を残す結果となった。
また、経営数値目標について見れば、最終年度目標(売上高25,000百万円、営業利益2,700百万円、営業利益率10.8%、ROA5.2%、ROE4.0)に対して、売上高は24,434百万円、営業利益2,421百万円、営業利益率9.9%、ROA4.7%、ROE3.8%とすべてにおいて目標値を下回る結果となっている。3年前の発表時点では目標値のハードルとしては達成可能な水準と見ていたが、新型コロナウイルス感染症の影響や自動車整備・鈑金事業の想定以上の低迷、ファインケミカル事業における産業用途の開拓遅れ、TPMS事業の売上未達などが要因となっている。また、費用面で将来の成長を見据えた人材確保や各種投資を前倒しで進めたことも未達要因として挙げられる。
(2)第6次中期経営計画の概要
2021年3月期からスタートする第6次中期経営計画では、前中期経営計画で進めてきた新たな製品・サービス開発の継続に加えて、「Overtake!!(顧客変化を追い越せ!!)」をテーマとし、顧客(ユーザー)変化に対応するのではなく、顧客(ユーザー)の変化を先取りした価値の創出によって、事業領域の拡張と業容の拡大を目指していく。また、既存技術・ノウハウの横展開に加えて、新たな技術・ノウハウを取り込み、“他にない”新しい価値と事業の創出に取り組んでいく方針だ。
経営数値目標としては最終年度となる2023年3月期に、売上高で27,100百万円(年平均成長率3.5%)、営業利益で2,850百万円(同5.6%)を掲げた。2021年3月期については既述の通り減益見込みとなるが、2022年3月期からの成長を目指す。また、経営指標では新たに事業運営の効率性を占めるROICをKPIとして採用し、2021年3月期の5.3%から2023年3月期は6.1%まで引き上げていく方針だ。同社の資本コストとしてはおよそ4.5~5.0%を想定している。また、ROEに関しても2021年3月期の3.5%から4.0%の水準を目指す。いずれも2019年3月期並みの水準となり、市場環境が順調であれば達成可能な水準と弊社では見ている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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