■アストマックス<7162>の事業別の業績と取り組み
4. 電力取引関連事業
AESとASTRAの協業により推進する当事業では、第1四半期は天候不順により電力消費量が想定より伸び悩み、取引も拡大しなかったが、第2四半期には盛夏により、また第3~4四半期は冬の電力需要増加により取り引きが活発化した。以上から、電力卸売取引やシステム販売協力・業務代行サービスから成る営業収益は9,723百万円(前期比20.5%増)、セグメント利益は18百万円(前期は14百万円の損失)と黒字転換している。
2016年4月の電力小売全面自由化から4年が経過し、利用者の新電力への切替(スイッチング)は2020年1月末現在で1,251万件に達し、2019年3月末の974万件から277万件増加している。その間、同社グループの電力取引関連事業では、電力小売事業者向けのシステム販売や業務代行の受注を拡大させ、顧客の多様な電力調達ニーズに対応するため電力の仕入・販売に注力してきた。それらの取り組みの結果、2020年3月期の新規取引契約実績は15件(前期は28件)となった。それに伴い、収益が拡大し、人員やインフラなどの経費を上回るようになったことが、同事業の黒字化につながった。今後も、新電力への切替、小売電力事業者数の増加は、同社の小売電気事業者支援業務提供の裾野を広げることから事業拡大につながり、電力取引関連事業の収益貢献拡大が期待される。なお、設立時からトレーディングのバックグラウンドがあることが、電力のトレーディングにも生かされているようだ。
5. 新たな事業への挑戦
同社グループでは新たな事業への挑戦もしている。具体的には、地方創生事業で2018年6月に、長万部アグリの第三者割当増資を引き受け(子会社化)ている。これは、北海道長万部町における「町と東京理科大学の連携による再生可能エネルギーを活用した先進的アグリビジネス事業」の確立を目指すものである。長万部アグリでは、長万部産のホタテの貝殻とサンゴ砂礫を用いたアルカリ培地による独特の農法でエンリッチミニトマトを生産し、2020年2月には(一財)格付けジャパン研究機構が主催する格付け認証により、ミニトマト部門において「データプレミアムNo.1」の格付けを取得した。
ガス事業では、2018年10月にガス小売事業者への登録が完了し、東京エナジーアライアンス(株)と契約を締結した。現在、事業開始に向け、パートナー候補である複数の企業と交渉中である。これらの新たな事業も、将来的に収益貢献すると期待される。
6. 人財育成力・組織力の強化
同社グループでは、事業戦略を推進するために人財の育成にも注力している。すなわち、重要な経営方針の1つとして、持続的に企業価値を向上させるためには、「自走できる集団」となること、そのために「人財の育成と開発」に全力で取り組むことを重要な経営方針の1つと位置付けている。
2020年3月期は、人財育成力・組織力の強化を実現するために、発想力を高め、コミュニケーションを取りやすく、かつ働きやすいオフィスにリニューアルした。
7. 2021年3月期の業績見通し
以上の取り組みを通じて、2021年3月期は増収増益を目指す方針であるものの、アセット・マネジメント事業及びディーリング事業の業績が経済情勢や市場環境によって大きな影響を受けるため、業績予想が困難であるとして業績予想を開示していない。また、2021年3月期は特に、新型コロナウイルス感染症拡大の影響が懸念される。ただし、株式市場の投資家は企業の業績予想に基づいて投資する傾向が強いことや、同社グループでも再生可能エネルギー事業や電力取引関連事業等、安定的な収益の比率が高まると予想されることから、今後は業績予想の開示が検討課題だろう。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 国重 希)
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4. 電力取引関連事業
AESとASTRAの協業により推進する当事業では、第1四半期は天候不順により電力消費量が想定より伸び悩み、取引も拡大しなかったが、第2四半期には盛夏により、また第3~4四半期は冬の電力需要増加により取り引きが活発化した。以上から、電力卸売取引やシステム販売協力・業務代行サービスから成る営業収益は9,723百万円(前期比20.5%増)、セグメント利益は18百万円(前期は14百万円の損失)と黒字転換している。
2016年4月の電力小売全面自由化から4年が経過し、利用者の新電力への切替(スイッチング)は2020年1月末現在で1,251万件に達し、2019年3月末の974万件から277万件増加している。その間、同社グループの電力取引関連事業では、電力小売事業者向けのシステム販売や業務代行の受注を拡大させ、顧客の多様な電力調達ニーズに対応するため電力の仕入・販売に注力してきた。それらの取り組みの結果、2020年3月期の新規取引契約実績は15件(前期は28件)となった。それに伴い、収益が拡大し、人員やインフラなどの経費を上回るようになったことが、同事業の黒字化につながった。今後も、新電力への切替、小売電力事業者数の増加は、同社の小売電気事業者支援業務提供の裾野を広げることから事業拡大につながり、電力取引関連事業の収益貢献拡大が期待される。なお、設立時からトレーディングのバックグラウンドがあることが、電力のトレーディングにも生かされているようだ。
5. 新たな事業への挑戦
同社グループでは新たな事業への挑戦もしている。具体的には、地方創生事業で2018年6月に、長万部アグリの第三者割当増資を引き受け(子会社化)ている。これは、北海道長万部町における「町と東京理科大学の連携による再生可能エネルギーを活用した先進的アグリビジネス事業」の確立を目指すものである。長万部アグリでは、長万部産のホタテの貝殻とサンゴ砂礫を用いたアルカリ培地による独特の農法でエンリッチミニトマトを生産し、2020年2月には(一財)格付けジャパン研究機構が主催する格付け認証により、ミニトマト部門において「データプレミアムNo.1」の格付けを取得した。
ガス事業では、2018年10月にガス小売事業者への登録が完了し、東京エナジーアライアンス(株)と契約を締結した。現在、事業開始に向け、パートナー候補である複数の企業と交渉中である。これらの新たな事業も、将来的に収益貢献すると期待される。
6. 人財育成力・組織力の強化
同社グループでは、事業戦略を推進するために人財の育成にも注力している。すなわち、重要な経営方針の1つとして、持続的に企業価値を向上させるためには、「自走できる集団」となること、そのために「人財の育成と開発」に全力で取り組むことを重要な経営方針の1つと位置付けている。
2020年3月期は、人財育成力・組織力の強化を実現するために、発想力を高め、コミュニケーションを取りやすく、かつ働きやすいオフィスにリニューアルした。
7. 2021年3月期の業績見通し
以上の取り組みを通じて、2021年3月期は増収増益を目指す方針であるものの、アセット・マネジメント事業及びディーリング事業の業績が経済情勢や市場環境によって大きな影響を受けるため、業績予想が困難であるとして業績予想を開示していない。また、2021年3月期は特に、新型コロナウイルス感染症拡大の影響が懸念される。ただし、株式市場の投資家は企業の業績予想に基づいて投資する傾向が強いことや、同社グループでも再生可能エネルギー事業や電力取引関連事業等、安定的な収益の比率が高まると予想されることから、今後は業績予想の開示が検討課題だろう。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 国重 希)
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