＜動意株・１０日＞（大引け）＝マルマエ、ミナトＨＤなど

　マルマエ<6264.T>＝後場急伸、一気に４ケタ大台乗せ。半導体製造装置向け精密部品の加工を手掛け、次世代通信規格５Ｇの普及などを背景とした半導体メモリー市況の回復が収益に追い風となっている。同社は１０日、前場取引終了後に２０年８月期業績予想の修正を発表、営業利益は従来予想の６億５０００万円から８億５８００万円（前期比７３％増）に大幅増額しており、これを材料視する買いが集中する格好となった。

　ミナトホールディングス<6862.T>＝動兆。メモリーモジュールを手掛ける電子機器メーカーで、データ移植装置を収益の柱としている。９日取引終了後、同社のグループ会社が新たな小型インテリジェント・ステレオカメラを、東工大発のスタートアップ企業であるＩＴＤ Ｌａｂ（横浜市）と共同開発することを発表、これが株価上昇を後押ししている。同商品は３次元領域での障害物監視センサーとしての用途を想定したもので、左右のレンズ間距離が従来品の３分の１以下と小型・軽量であることが特長となっている。

　ＡＳＪ＜2351.T＞＝ストップ高。サーバーレンタル事業を展開するほか、ネット決済なども手掛ける。９日取引終了後、クラウドグループウェア「ＨｏｔＢｉｚ」でＺｏｏｍとの連携やタスク管理などテレワーク機能を強化したことを発表、これが株価の刺激材料となった。ここ数週間にわたり１４００～１５００円を中心とするゾーンでもみ合いを続け売り物がこなれており、満を持して上放れた格好となった。

　トランスジェニック<2342.T>＝ストップ高。９日の取引終了後、熊本大学及び群馬大学と共同で出願していた「炎症可視化マウス作製とその応用」が、米国特許庁から特許査定を受けたと発表しており、これが材料視されている。同特許は、自己免疫疾患、がん、動脈硬化、肥満、アルツハイマー病、老化などのさまざまな疾患に関連することが明らかになっている炎症マーカーとして注目されるＩＬ－１βの産生を可視化し、生体レベルでの炎症反応を捉えることを可能にする炎症可視化マウス。同社では、モデルマウス製品ラインアップとして、病態可視化マウスの導入・開発に取り組んでおり、引き続き汎用性の高いモデルマウスの拡充を図るとしている。なお、同件による２１年３月期業績への影響はないとしている。

　三井ハイテック<6966.T>＝マドを開けて大きく買われる９日取引終了後に発表した２１年１月期第１四半期（２～４月）の連結決算は、売上高２１６億８９００万円（前年同期比５．３％増）、経常損益１億８０００万円の黒字（前年同期は２億２６００万円の赤字）で着地しており、これを好感する買いが入っている。半導体パッケージの内部配線としてに使われるリードフレームを手掛ける電子部品事業の業績が急回復したことが寄与。新型コロナウイルス感染症拡大を背景とする操業停止から早期回復した生産拠点を活用し供給不足に対応したことに加え、生産性向上や原価低減を進めたことも利益改善に大きく貢献した。一方、新型コロナウイルスの業績への影響が見通せないため、従来の通期業績予想を取り下げ、未定に変更した。

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出所：MINKABU PRESS