SBテク Research Memo(4):第3次中期経営計画の1年目は営業利益20%成長を達成

配信元:フィスコ
投稿:2020/06/04 15:14
■業績動向

1. 2020年3月期の連結業績の概況
SBテクノロジー<4726>の2020年3月期の連結業績は、売上高が58,324百万円(前期比15.7%増)、営業利益3,035百万円(同20.8%増)、経常利益3,033百万円(同32.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益1,856百万円(同33.8%増)だった。2ケタ増収増益での着地となり、純利益は3期ぶりに増益だったほか、売上及び各利益いずれも期初計画を超過しての着地であり、通期として過去最高を更新している。

2019年4月24日に2020年3月期−2022年3月期を計画期間とする第3次中期経営計画を発表しているが、目標とする経営指標の1つとして、2022年3月期の営業利益43億円、2019年3月期の営業利益25億円を起点にCAGR(年平均成長率)を20%としている。第3次中期経営計画の1年目となる2020年3月期の営業利益は20.8%成長を達成した。また、同社は社外コストを引いた限界利益を開示しており、2020年3月期において164億円と前期比20億円弱伸ばすことができている。

2. 各ソリューションの概況
同社の報告セグメントは「ICTサービス事業」の単一セグメントとしているが、「ICTサービス事業」を構成する各ソリューションの内容及び業績について開示している。ビジネスITソリューション、コーポレートITソリューション、テクニカルソリューション、ECソリューションで構成されているが、各ソリューションともに増収増益となった。

ビジネスITソリューションの売上高は4,518百万円(前期比32.9%増)だった。グローバル製造業向けのIoTシステム開発案件が大きく伸長した。また、農林水産省の電子申請基盤の開発案件(政府によるデジタルガバメント推進1号案件)を受託し、売上が拡大している。一方で、戦略の見直しによりWeb解析関連ソリューションは縮小している。

コーポレートITソリューションの売上高は16,403百万円(同20.3%増)だった。マイクロソフトのSaaS/PaaSを活用したソリューションが好調に推移し、特にクラウドプラットフォームであるAzureを利用したシステム開発案件が伸長した。セキュリティ対策ソリューションでは、顧客専用のセキュリティ運用監視やセキュリティコンサルティング案件が増加。さらに、自社サービスのclouXion(クラウジョン)においては、「Microsoft Teams」を短期間で導入する「Microsoft Teams 向け簡単導入パック」を新たに追加し、テレワークの需要増加に対応した。

テクニカルソリューションではオンプレミスのシステムインテグレーションや機器販売、構築、運用保守サービスを展開しており、売上高は15,380百万円(同24.0%増)となっている。第3四半期より開始したソフトバンク(株)のIT領域におけるベンダーマネジメント案件(外部発注している開発案件の取りまとめ)が拡大したほか、ソフトバンクグループ各社向けの開発案件及び運用サービス案件が堅調に推移している。

ECソリューションの売上高は22,022百万円(同4.9%増)となり、ノートンストアのECサイト運営代行ビジネスにおいて売上が堅調に推移している。

増益に貢献しているのは、ビジネスITソリューションとコーポレートITソリューション。特に同社が得意とするクラウド、セキュリティソリューションを手掛けるコーポレートITソリューションが増益をけん引している。なお、ビジネスITソリューションとコーポレートITソリューションによる売上高構成比率は前期の33.8%から35.9%に上昇しており、ビジネスITソリューションとコーポレートITソリューションの増収が増益に大きく貢献した形である。

営業利益については、売上並びに限界利益の増加による効果が出ている。それに対して、50名以上の社員の増員のほか、社員に向けた待遇の改善、ベースアップなどを行ってきたため、14億円ほど固定費の増加があるが、結果として、3,035百万円という営業利益につながっている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 村瀬智一)


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配信元: フィスコ

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