■USEN-NEXT HOLDINGS<9418>の会社概要
(4) 「見放題作品数No.1」など品ぞろえに定評のコンテンツ配信事業
「U-NEXT」では、個人向けに動画配信(VOD:ビデオ・オン・デマンド)サービスを提供している。映画やテレビといった動画コンテンツから電子書籍、音楽までを、インターネットを通じてテレビやPC、スマートフォンなどで視聴することができる月額課金型の有料サービスである。最大の特徴が、他社比2倍以上と言われる見放題の動画コンテンツ数にある。全ジャンルでNo.1の品ぞろえを目指す戦略を実行しているが、主要6ジャンル(洋画、邦画、海外ドラマ、韓流・アジアドラマ、国内ドラマ、アニメ)で15ヶ月連続「見放題作品数No.1」というポジションを獲得している(2019年5月GEM Partners(株)調べ)。有料とはいえ最新作も、他社より早くより多く視聴できるなど充実している。また、大手で唯一成人向け作品を手掛けているが、成人向けが需要拡大のカギを握るのは、レンタルビデオの成長期に(株)TSUTAYAが米国大手ブロックバスターに圧勝したことからも理解できる。
同社の月額利用料は1,990円と一見高く見えるが、18万本(見放題作品数14万本、 レンタル作品数3万本)とコンテンツが充実していること、1アカウントで4人まで視聴できること、毎月付与される1,200円分のポイントの範囲内であれば有料課金の最新作も実質無料となることなどを考え合わせれば、決して高いとは言えないだろう。また、2019年6月に発売された東芝<6502>テレビ「レグザ」のリモコンに直接「U-NEXT」の番組を起動できる「U-NEXTボタン」を搭載、Apple TVやプロジェクター付きシーリングライト「popIn Aladdin」など対応デバイスを強化するなど、利便性もますます向上している。2019年12月にはアニメ見放題エピソード数でもNo.1を獲得、2020年2月には英BBCスタジオズと包括提携し、BBCの人気タイトル600作品・3,000エピソードを見放題で配信することになった。以上から同社は、AmazonのプライムビデオやNetflixなど巨大企業に対抗できる、唯一の国産VODサービサーと言えるだろう。
(5) 地域電力の巻き返しに遭うエネルギー事業
エネルギー事業では、業務提携している東京電力ホールディングス<9501>のエリア外にある業務店や商業施設向けに、高圧及び低圧の電力や都市ガスを販売、省エネなどのコンサルティング・サービスも提供している。電力販売の自由化を背景に2016年9月に立ち上げたばかりの事業で、東京電力ホールディングスから仕入れた電力を再販するため、利益率は低いがスプレッドが必ず取れる安定した商売である。これまで、専属の営業体制を構築し同社の厚い顧客基盤へ向けて価格の安さを訴求したことで契約者数が急増、新規顧客の獲得やクロスセルのきっかけとなるフック商材として成長期待が高まっていたが、契約更新のタイミングで各地域電力の巻き返しに遭っており、急速に競争環境が激化している状況である。
(6) インバウンド減など逆風のメディア事業
メディア事業は、グルメレストラン情報サイト「ヒトサラ」が主力で、飲食店向けに集客支援サービスを提供している。料理人(ヒト)と料理(サラ)にフォーカスし、比較的ハイエンドな飲食店にターゲットを絞り込むことで差別化し、一定のマーケットポジションを確保している。収益面では広告収入に加え、新たに即時予約機能によるトランザクションフィーも導入した。インバウンド戦略は大変な逆風になっているが、訪日外国人向けに「ヒトサラ」の多言語版グルメサイト「SAVOR JAPAN」を運営、Japan Travel by NAVITIMEと飲食店予約で連携を開始した。ほかに、フリーマガジン・Web・イベント・サロンの4方向から、結婚を意識し始めた女性にアプローチするウェディングメディア「ウエコレ」や、スタイリスト探しのWebマガジン「bangs」も展開している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)
<EY>
(4) 「見放題作品数No.1」など品ぞろえに定評のコンテンツ配信事業
「U-NEXT」では、個人向けに動画配信(VOD:ビデオ・オン・デマンド)サービスを提供している。映画やテレビといった動画コンテンツから電子書籍、音楽までを、インターネットを通じてテレビやPC、スマートフォンなどで視聴することができる月額課金型の有料サービスである。最大の特徴が、他社比2倍以上と言われる見放題の動画コンテンツ数にある。全ジャンルでNo.1の品ぞろえを目指す戦略を実行しているが、主要6ジャンル(洋画、邦画、海外ドラマ、韓流・アジアドラマ、国内ドラマ、アニメ)で15ヶ月連続「見放題作品数No.1」というポジションを獲得している(2019年5月GEM Partners(株)調べ)。有料とはいえ最新作も、他社より早くより多く視聴できるなど充実している。また、大手で唯一成人向け作品を手掛けているが、成人向けが需要拡大のカギを握るのは、レンタルビデオの成長期に(株)TSUTAYAが米国大手ブロックバスターに圧勝したことからも理解できる。
同社の月額利用料は1,990円と一見高く見えるが、18万本(見放題作品数14万本、 レンタル作品数3万本)とコンテンツが充実していること、1アカウントで4人まで視聴できること、毎月付与される1,200円分のポイントの範囲内であれば有料課金の最新作も実質無料となることなどを考え合わせれば、決して高いとは言えないだろう。また、2019年6月に発売された東芝<6502>テレビ「レグザ」のリモコンに直接「U-NEXT」の番組を起動できる「U-NEXTボタン」を搭載、Apple TVやプロジェクター付きシーリングライト「popIn Aladdin」など対応デバイスを強化するなど、利便性もますます向上している。2019年12月にはアニメ見放題エピソード数でもNo.1を獲得、2020年2月には英BBCスタジオズと包括提携し、BBCの人気タイトル600作品・3,000エピソードを見放題で配信することになった。以上から同社は、Amazon
(5) 地域電力の巻き返しに遭うエネルギー事業
エネルギー事業では、業務提携している東京電力ホールディングス<9501>のエリア外にある業務店や商業施設向けに、高圧及び低圧の電力や都市ガスを販売、省エネなどのコンサルティング・サービスも提供している。電力販売の自由化を背景に2016年9月に立ち上げたばかりの事業で、東京電力ホールディングスから仕入れた電力を再販するため、利益率は低いがスプレッドが必ず取れる安定した商売である。これまで、専属の営業体制を構築し同社の厚い顧客基盤へ向けて価格の安さを訴求したことで契約者数が急増、新規顧客の獲得やクロスセルのきっかけとなるフック商材として成長期待が高まっていたが、契約更新のタイミングで各地域電力の巻き返しに遭っており、急速に競争環境が激化している状況である。
(6) インバウンド減など逆風のメディア事業
メディア事業は、グルメレストラン情報サイト「ヒトサラ」が主力で、飲食店向けに集客支援サービスを提供している。料理人(ヒト)と料理(サラ)にフォーカスし、比較的ハイエンドな飲食店にターゲットを絞り込むことで差別化し、一定のマーケットポジションを確保している。収益面では広告収入に加え、新たに即時予約機能によるトランザクションフィーも導入した。インバウンド戦略は大変な逆風になっているが、訪日外国人向けに「ヒトサラ」の多言語版グルメサイト「SAVOR JAPAN」を運営、Japan Travel by NAVITIMEと飲食店予約で連携を開始した。ほかに、フリーマガジン・Web・イベント・サロンの4方向から、結婚を意識し始めた女性にアプローチするウェディングメディア「ウエコレ」や、スタイリスト探しのWebマガジン「bangs」も展開している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)
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