「不況耐性に特に優れている」銘柄
【高評価なアナリスト評】
医薬品や農薬で収益を確保し、液晶や半導体などを含め幅広く材料を供給している事から、UBS証券は4月9日付レポートで、同社について「不況耐性に特に優れている」と評価していました。また、同時期4月13日付でSMBC日興証券もこの銘柄を(信越化学、東洋紡と共に)化学・繊維セクターの「トップピック」に位置付けています。スマホ市場の縮小を尻目に「光IPS用やVA用の配向膜のシェアアップを裏付けとして2021年3月期も営業増益が見込めるうえに、積極的な株主還元の姿勢に揺らぎはない」ことが背景としております。両証券レポートも緊急事態宣言が出された後に発行されたもの。目標株価は各5100円、4710円と高評価となっています。
【需給面でのメリット】
そのうえで、実は、最も注目されるのは需給面です。先に日銀がETF買い入れ方式の微調整を発表。買い入れ対象とする指数(TOPIXと日経平均とJPX日経インデックス400)のウエートについて、従来、各ETFの時価総額比例で決めていたものを(日銀保有分を除いた)市中流通残高比例に改めるというもの。結果的に日経平均型の買い付けがやや増加することになりそうです。
みずほ証券が1日付レポートで試算していたところによると、「新基準による日銀のETF購入から恩恵を受ける可能性のある銘柄」のうちでも、トップに挙げられていたのが、この日産化学です。ちなみに、同レポートでは「日銀の保有比率が高い銘柄」のスクリーニングも行っていましたが、日産化学は7位(17.3%)。(1位はアドバンテストの23.4%)。直近の「会社四季報」によると、日産化学の浮動株比率は5.1%。日銀のETF買いがさらに浮動株を吸い上げると考えられます。
【下げ幅1/3ライン】
2月17日高値5150円から3月19日安値2701円までの下げ幅3分の1戻しライン(4335円)も目前。一昨年12月には上場来高値6370円まで買われた経緯もあり、まだ過熱感の生じる水準では無いと見られます。
関連銘柄
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