FRBの無駄打ち?!

著者:比嘉洋
投稿:2020/03/04 14:04

●まさかの緊急利下げ

昨日のG7財務相・中央銀行総裁電話会議の結果は市場の期待を裏切る結果に。ただ、そこから数時間後にFRBによる0.5%の緊急利下げの報。一部市場では緊急利下げを行うのでは?との観測がありましたが、疫病に対し利下げは効果なしと考えていただけに、まさかのアクション。発表直後こそ株式市場はポジティブサプライズで上昇しましたが、その効果も長続きせず。一時前日比1,000ドル近い下げとなり、終値ベースでも785ドル安と撃沈。結果、ドル円も一時107円割れを示現する場面がありました。今月18日に予定されているFОМCでも追加の利下げを実施との見方も広がりつつあります。本日のカナダも協調して利下げに踏み切るのでしょう。再び、世界的な利下げの時間帯に踏み込むことになりそうです。ただ、日本は利下げ余地がないため、量的緩和で対応するしか策はなさそうです。株買い(金額増)のみでこの局面を乗り切れるのか、見守りたいと思います。


●注目度が低下した(?)スーパーチューズデー

ドル円(日足)
新型ウイルス問題ですっかり影の薄くなった米大統領選。先ほど投票は締め切られ、ここから順次開票され、ヘッドラインが流れてきます。こちらにも一応注意を払っておきましょう。

本来であれば今晩、注目度の高いADP、ISM非製造業指数の発表が予定されています。ただ、緊急利下げ、新型ウイルス感染拡大のリスクオフに支配された状況下で経済指標の位置づけが参加者の優先順位のどの辺りにいるのか?見当もつきませんが、ネガティブサイドの振れには注意が必要と考えています。ドル円については、200日移動平均線(執筆時:108.422円)がレジスタンスとなりそうです。
比嘉洋
マネースクエア シニアコンサルタント
配信元: 達人の予想