NYコラム(27日)ダウ平均は短期的な値幅調整が続く−節目の2万8600ドルを試す展開へ

著者:加藤裕一
投稿:2020/01/27 21:49

▶NY株式市場(27日)ダウ平均はアジア株安で2万8600ドル試す−ダウ平均先物が一時400ドル超安

27日のアメリカ株式市場でダウ平均は売り先行でスタートへ。中国で発生した新型ウイルスがさらにグローバルで拡大していることから、引き続き、パンデミック・リスクを織り込む展開だ。

27日のアジア株やヨーロッパ株に下げ止まりの兆しが見られていない。アメリカ株式市場でも世界的な株安の流れに歯止めがかからない状況になる。

アメリカ市場は、新型ウイルスの震源地となった中国などアジア株の下落を時間外の株価指数先物で折り込みながら通常取引に入っていく流れが強まりそうだ。時間外の取引で、ダウ平均先物は、一時400ドル超の下げを見せている。

ダウ平均は寄り付きで先週末に日足の下ヒゲで付けた日中安値=2万8843ドルを割り込んだあとは、25日移動平均線(2万8791ドル)も下抜け、抵抗感に乏しく2万9700ドル割れを試しにいくとみる。

下値のメドは、2万8600ドルの節目が残ってこよう。27日のダウ平均は、2万8600ドル手前で売り一巡感を確認して、2019年12月31日の終値=2万8538ドル割れを回避することが重要ポイントとなる。

▶中国政府が先週から新型ウイルスの感染拡大を封じ込める措置を相次いで発表

中国政府は先週から新型ウイルスの感染拡大を封じ込める措置を相次いで講じた。きょうから海外団体旅行を禁止したという。今週は、連日で感染者数の拡大が続くであろう。

ただ、初期段階における感染患者の「隔離・監視」措置が揃いつつある。

初期段階の『封じ込め』効果は、少なくとも現段階で世界に広がった新型ウイルスの潜伏期間が過ぎるまでわからない。早くても来週後半以降だろう。

封じ込め効果は、現在の感染者数の「拡大傾向」から「横ばい、もしくは減少」という形で見えてくることが必要だ。

感染者数の拡大にピーク感が出るまでマーケットは神経質に反応してくる。同時に相場の底入れは、ピーク感とともにやってくるだろう。
加藤裕一
米国株ストラテジスト
配信元: 達人の予想