“分水嶺”の攻防戦…!? - ドル円

著者:武市佳史
投稿:2020/01/23 10:32

「新型コロナウィルス」は継続も、“リスク回避姿勢”は一服…

※ご注意:予想期間は1月24日と表示されていますが、本日(1月23日)の東京・欧州・NY市場の値動きを想定した記述となります。


昨日も「新型コロナウィルス」への懸念は継続したものの、“騒ぎ過ぎ(往き過ぎ)”との見方も一部で浮上しています。
このため前日に急落をけん引した上海・香港株等は軒並み上昇に転じており、“リスク回避姿勢”が強まることはありませんでした。
一方で払拭されたわけでもないことから、“上値の重さ”も相変わらずでした。
こうして“109.90円”を挟んだ膠着に終始したドル円は、大きく動意づくことはありませんでした。

◆ さて“無理仕掛け”は奏功するのか…?

もっとも昨日も記したように、現在の下値を支えているのは“これまでのネックライン(109.70円水準)”とも重なる、“200週移動平均線(本日は109.677円)”と見られます。
これを割り込むべく、今朝方より「仕掛け的な動き(ドル売り)」が散見されていますので、こうなると目先は“同ライン割れ(ストップロスを絡めてさらに下落)”を懸念せざるを得ないのは事実です。

ただ発生源とされる中国・武漢市は「事実上の封鎖措置」が決定されており、「感染拡大の懸念」は後退してきているようにも見えます。
こうした状況下、「国内輸入筋のドル買いオーダー」はさらに厚みを増していると聞き及びます。

「明確に割り込むことができなければ…?」、あるいはたとえ割り込んだとしても「ストップロスを絡めることができなければ…?」、“無理仕掛け”のつけは次第に回る可能性も否めないところです。
明日の春節入りを前に「もう一段のポジション調整」が入る可能性はゼロではありませんが、引き続き「いい押しが入った(押し目買いチャンス)」と見ながら、ことの成り行きを見極めたいところです。

◆ドル円 抵抗・支持ライン

上値5:110.362(5/23高値)
上値4:110.288(1/17高値、1/21高値、50月移動平均線、ピボットハイブレイクアウト)
上値3:110.192(ピボット2ndレジスタンス)
上値2:110.095(1/22高値、+1σ、1/17~1/21の61.8%戻し水準)
上値1:110.000(大台、20月移動平均線、ピボット1stレジスタンス)
前営業日終値:109.845(日足・一目均衡表転換線、週足・一目均衡表先行スパン上限)
下値1:109.759(1/21安値、ピボット1stサポート)
下値2:109.676(200/100週移動平均線、ピボット2ndサポート)
下値3:109.433(1/10-13安値、20日移動平均線、月足・一目均衡表基準線、ピボットローブレイクアウト)
下値4:109.281(1/8~1/17の38.2%押し)
下値5:109.171(50日移動平均線)
武市佳史
株式会社マネーパートナーズ チーフアナリスト
配信元: 達人の予想