ミロク情報 Research Memo(1):旺盛なIT投資需要を背景に業績は9期連続の増収増益となる見通し

配信元:フィスコ
投稿:2019/12/16 15:11
■要約

ミロク情報サービス<9928>は、会計事務所及び中堅・中小企業向けに、財務会計・税務システムを中心とするERP(統合業務管理)製品を開発・販売する業界大手。新規事業としてbizsky(ビズスカイ)プラットフォーム事業や子会社で展開する事業承継支援サービス、bizocean(ビズオーシャン)等の事業を育成中。

1. 2020年3月期第2四半期累計業績の概要
2020年3月期第2四半期累計(2019年4月-9月)の連結業績は、売上高が前年同期比21.2%増の18,825百万円、経常利益が同30.2%増の3,928百万円と好調に推移し、期初会社計画(売上高17,140百万円、経常利益3,220百万円)に対していずれも上回って着地した。Windows7のサポート終了や消費税率の引き上げを控えて、ハードウェアの販売が既存顧客からの更新需要を中心に前年同期比52.8%増と急増したほか、ソフトウェア販売が同15.4%増、ストックビジネスとなるサービス収入が同9.4%増といずれも計画を上回って伸張したことが要因だ。また、経費の抑制等により販管費を計画よりも138百万円抑えることができたことも増益要因となっている。

2. 2020年3月期の業績見通し
2020年3月期は売上高で前期比8.6%増の34,000百万円、経常利益で同22.6%増の6,200百万円と期初計画を据え置いている。下期の事業環境に不透明さが見られることや、2021年3月期以降の成長に向けた研究開発、製品開発、人材投資等を推進していくこと、第2四半期末に4.49ヶ月まで減少(期首比0.57ヶ月減)したシステム導入契約売上高※の受注残(単体)の積み上げに注力していく方針であることなどが要因だ。とはいえ、通期計画に対する第2四半期までの経常利益進捗率は63.4%に達していることから、会社計画を上回る可能性は高いとみられる。

※システム導入契約売上高=ハードウェア、ソフトウェア、ユースウェアの合計売上高。


3. 中長期の展望について
同社は中期経営計画最終年度となる2021年3月期の業績目標値として売上高380億円、経常利益80億円を掲げている。企業向けERP製品の販売拡大やストックビジネスの積み上げと、子会社の(株)MJS M&Aパートナーズ(以下、mmap)で展開する事業承継等支援サービスの拡大や(株)ビズオーシャンにおけるポータルサイトからの広告収入増などで計画達成を目指していく。また、2025年度に向けた中長期の展望としては、2023年10月より導入されるインボイス制度へのデジタル化対応やEDI(受発注)システムの刷新をビジネスチャンスと見て、電子インボイス対応の受発注システムを「bizskyプラットフォーム」上で提供すべく、開発を進めている。また、中小企業の最適な資金調達・資金管理を可能とする新たなファイナンス・サービスを会計事務所や地域金融機関等と連携して進めていく構想を描いており、今後の動向が注目される。

■Key Points
・企業向けERPシステムは中堅企業の新規顧客の開拓が進む
・2020年3月期は9期連続の増収増益に、下期は受注残の積み上げに取り組む
・クラウド・ソリューションの展開と新サービス創造により2025年度に向けて飛躍的な成長を目指す

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)


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