リソー教育 Research Memo(1):高い顧客満足度が好循環を生み出し、少子化の中でも生徒数の増加が続く

配信元:フィスコ
投稿:2019/12/11 15:11
■要約

リソー教育<4714>は“完全個別指導”と“進学指導”とを組み合わせた点で独自のポジションを確立した教育サービス企業。傘下に幼稚園・小学校受験指導の(株)伸芽会や家庭教師派遣事業の(株)名門会など、8つの事業会社を擁し、「TOMAS」ブランドで5つの事業を展開している。

1. 2020年2月期第2四半期は2ケタの増収増益で着地。5つの事業部門すべてが黒字化を達成
同社の2020年2月期第2四半期決算は、売上高12,987百万円(前年同期比10.0%増)、営業利益1,166百万円(同19.8%増)と増収増益で着地した。学習塾事業、家庭教師派遣教育事業、幼児教育事業の中核分野で順調に生徒数が増加したのを始め、5つの事業セグメントすべてで前年同期比増収となった。利益面では、学校内個別指導事業が2019年2月期で先行投資を終えて“回収期”に入り、2020年2月期第2四半期決算では営業黒字に転換した。

2. 「高い顧客満足度」への意識が独自の事業モデルと安定成長・高収益の実現に寄与
同社の長期業績を振り返ると少子化トレンドのなか安定した増収基調が続いている。また収益性の点でも10%前後の高い営業利益率を維持している。こうした業績面での強みは、同社が自身の事業について「サービス業である」という意識のもと、高い顧客満足度の提供、すなわち進学実績の実現にこだわった事業展開をしてきたことが背景にある。これがTOMASの“進学指導を目的とした1対1の完全個別指導”という独自のポジショニングの確立へとつながり、少子化が進行した今日でも生徒数の増大を実現できている強い経営体質をもたらした。

3. 中長期成長戦略は順調。今後数年間は“第2次ゴールデン成長期”を迎えると期待
同社の中期成長戦略は順調に進捗している。学習塾事業ではサテライト戦略のもとTOMASの教室数が着実に増大しつつあるほか、2020年2月期第2四半期は学校法人駿河台学園と提携し、新業態への進出を決定した。学校内個別指導事業ではオンライン英会話事業の先行投資が終了し、契約・導入学校数の拡大に向けてアクセルオンの状況へとステージが上がった。その結果2020年2月期末の導入学校数は64校に達する見通しだ。幼児教育事業では新規事業の伸芽’Sクラブで展開する託児事業と学童事業が好調で、顧客の長期囲い込み戦略の事業モデルが完成した状況となっている。2020年2月期からスタートした新中期経営計画では、最終年となる2022年2月期において売上高330億円、経常利益38億円を計画しているが、その達成は十分視野に入ってきたと言えるだろう。

■Key Points
・学校内個別指導事業が回収期入り。潜在的需要は大きく中期的な成長エンジンと期待
・駿河台学園との資本業務提携はポテンシャルが大きく要注目
・株主重視の姿勢を明確にするために、配当性向100%を今後も継続する方針

(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川裕之)


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配信元: フィスコ

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