■決算概要
1. 2019年12月期第3四半期(累計)の業績
アライドアーキテクツ<6081>の2019年12月期第3四半期(累計)の連結業績は、売上高が前年同期比1.2%減の3,045百万円、営業損失が106百万円(前年同期は14百万円の損失)、経常損失が130百万円(前年同期は233百万円の損失)、親会社株主に帰属する四半期純損失が157百万円(前年同期は309百万円の損失)と減収減益となり営業損失となった。しかし、売上高は、国内事業は前年同期比13%増と好調に推移しているものの、海外SNS広告からの撤退による売上高の減少が大きく影響している。また、特に海外子会社におけるマーケティングコストの増加や拠点閉鎖コスト発生が業績の足を引っ張る要因になっている。
売上高は、国内事業がSaaSプロダクトの伸びやソリューション提供(顧客単価の向上)により大きく拡大。また、越境・インバウンドプロモーション事業についてもまだ小規模ながら、独自プロダクト「チャイナタッチ」とインフルエンサーマーケティングの組み合わせによる拡販などにより伸びてきたようだ。ただ、売上高全体が減収となったのは、海外子会社(Creadits)が利益率の低い海外SNS広告から撤退(約435百万円の減収要因)したことが理由である。もっとも、同子会社が展開する「CREADITS(R)」の売上高は順調に伸びている(前年同期比15%増)。
利益面でも、売上総利益は同社単体(国内事業等)の伸びにより増益を確保したものの、海外子会社における受注獲得に向けたマーケティングコストや拠点閉鎖コストの発生により、また国内におけるSaaS強化に向けた開発・運用コスト等の先行費用により販管費が拡大したことから営業損失に陥った。なお、営業損益のうち、海外子会社の営業損失が247百万円(前年同期は206百万円の損失)となっていることから、第3四半期の段階では、事業育成局面にある海外子会社の損失を国内事業の利益でカバーできなかったという見方ができる。
財政状態は、総資産が借入金返済に伴う「現金及び預金」の減少などにより前期末比12.3%減の2,666百万円に縮小した一方、自己資本も純損失の計上により同7.5%減の1,294百万円に縮小。その結果、自己資本比率は47.6%(前期末は45.4%)とほぼ横ばいで推移している。ただ、「現金及び預金」は減少したものの、流動比率は203.3%と高い水準を確保しており、財務の安全性に懸念はない。
2. 四半期業績推移
四半期ごとの営業利益の推移を見ると、同社単体(国内事業等)は2018年12月期第4四半期に過去最高益(四半期ベース)を更新した後、2019年12月期に入ってからも、例年どおり季節要因※の影響を受けた形で推移しているものの、各四半期ともに前年同期比では着実に増益基調にあると言える。一方、事業育成局面にある「CREADITS(R)」は、事業拡大に向けた先行費用に加え、2018年12月期第2四半期以降、ビジネスモデル変更に伴う解約が想定以上であったことや、第4四半期にはシンガポールの会計基準変更等による一時的な損失の発生により大きく落ち込んだ。ただ、2019年12月期に入ってからはボトムアウトしており、今期中の単月黒字を見込んでいる。「CREADITS(R)」の売上高推移で見ても、新モデルが足元で大きく伸びており、サブスクリプション型(積み上げ型)であることから、今後の損益改善に向けて明るい材料と言える。
※企業の広告予算の関係により、例年、第1四半期(1月−3月)は繁忙期となるものの、第2四半期(4月−6月)は大きく落ち込む傾向がある。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)
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1. 2019年12月期第3四半期(累計)の業績
アライドアーキテクツ<6081>の2019年12月期第3四半期(累計)の連結業績は、売上高が前年同期比1.2%減の3,045百万円、営業損失が106百万円(前年同期は14百万円の損失)、経常損失が130百万円(前年同期は233百万円の損失)、親会社株主に帰属する四半期純損失が157百万円(前年同期は309百万円の損失)と減収減益となり営業損失となった。しかし、売上高は、国内事業は前年同期比13%増と好調に推移しているものの、海外SNS広告からの撤退による売上高の減少が大きく影響している。また、特に海外子会社におけるマーケティングコストの増加や拠点閉鎖コスト発生が業績の足を引っ張る要因になっている。
売上高は、国内事業がSaaSプロダクトの伸びやソリューション提供(顧客単価の向上)により大きく拡大。また、越境・インバウンドプロモーション事業についてもまだ小規模ながら、独自プロダクト「チャイナタッチ」とインフルエンサーマーケティングの組み合わせによる拡販などにより伸びてきたようだ。ただ、売上高全体が減収となったのは、海外子会社(Creadits)が利益率の低い海外SNS広告から撤退(約435百万円の減収要因)したことが理由である。もっとも、同子会社が展開する「CREADITS(R)」の売上高は順調に伸びている(前年同期比15%増)。
利益面でも、売上総利益は同社単体(国内事業等)の伸びにより増益を確保したものの、海外子会社における受注獲得に向けたマーケティングコストや拠点閉鎖コストの発生により、また国内におけるSaaS強化に向けた開発・運用コスト等の先行費用により販管費が拡大したことから営業損失に陥った。なお、営業損益のうち、海外子会社の営業損失が247百万円(前年同期は206百万円の損失)となっていることから、第3四半期の段階では、事業育成局面にある海外子会社の損失を国内事業の利益でカバーできなかったという見方ができる。
財政状態は、総資産が借入金返済に伴う「現金及び預金」の減少などにより前期末比12.3%減の2,666百万円に縮小した一方、自己資本も純損失の計上により同7.5%減の1,294百万円に縮小。その結果、自己資本比率は47.6%(前期末は45.4%)とほぼ横ばいで推移している。ただ、「現金及び預金」は減少したものの、流動比率は203.3%と高い水準を確保しており、財務の安全性に懸念はない。
2. 四半期業績推移
四半期ごとの営業利益の推移を見ると、同社単体(国内事業等)は2018年12月期第4四半期に過去最高益(四半期ベース)を更新した後、2019年12月期に入ってからも、例年どおり季節要因※の影響を受けた形で推移しているものの、各四半期ともに前年同期比では着実に増益基調にあると言える。一方、事業育成局面にある「CREADITS(R)」は、事業拡大に向けた先行費用に加え、2018年12月期第2四半期以降、ビジネスモデル変更に伴う解約が想定以上であったことや、第4四半期にはシンガポールの会計基準変更等による一時的な損失の発生により大きく落ち込んだ。ただ、2019年12月期に入ってからはボトムアウトしており、今期中の単月黒字を見込んでいる。「CREADITS(R)」の売上高推移で見ても、新モデルが足元で大きく伸びており、サブスクリプション型(積み上げ型)であることから、今後の損益改善に向けて明るい材料と言える。
※企業の広告予算の関係により、例年、第1四半期(1月−3月)は繁忙期となるものの、第2四半期(4月−6月)は大きく落ち込む傾向がある。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)
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