田辺三菱、太陽誘電、ZHDなど

配信元:フィスコ
投稿:2019/11/19 16:19
<4508> 田辺三菱 1638 +300ストップ高。56%強を出資する親会社の三菱ケミカルホールディングス<4188>が、TOBを実施して同社を完全子会社化すると発表している。TOB価格は2010円で、前日終値に対して約50%のプレミアムとなっている。買い付け期間は11月19日から20年1月7日まで。TOB価格への完全サヤ寄せを目指す動きになっている。なお、三菱ケミHDは売り先行で始まっている。

<9507> 四国電力 1033 -54大幅続落。ゴールドマン・サックス証券では投資判断を「中立」から「売り」に、目標株価も1200円から1100円に引き下げた。販売競争における価格下落、伊方原発の利益貢献額の低めの見積もりなどから、21年3月期以降は2年連続の減益を予想としており、21年3月期、22年3月期の経常利益予想は市場コンセンサスを4割近く下回る水準としているもよう。また、配当予想もコンセンサスを下回っているようだ。

<6976> 太陽誘電 2845 -148大幅反落。SMBC日興証券では投資判断を「1」から「2」に格下げ、目標株価は2800円を据え置きとしている。株価の上昇によって極端な割安感が解消されたことを格下げの背景としている。また、21年3月期以降は、需要増に備えた増産投資の継続で固定費負担が増すことから、1ドル=105円の環境下では営業減益になると試算され、競合比で増益率は見劣りするとも指摘している。

<4689> ZHD 388 -34大幅反落。前日にLINE<3938>との経営統合基本合意を正式発表、記者会見を開催している。統合シナジーへの期待は高いものの、統合後は年1000億円規模をAI関連の分野に投資して新規サービスの開発を急ぐともされており、当面の収益の重しになるとの見方もあるようだ。また、統合に際しての新株発行による株式価値の希薄化、複雑な統合スキーム、ガバナンスへの不安などを懸念視する声もあるようだ。

<4587> PD 5040 +335急伸。いちよし証券ではフェアバリュー6000円継続ながら、レーティングは「B」から
「A」に格上げした。引き続き契約の増加や契約先の開発進展を見込み、中長期の利益成長期待が高いなかで株価が下落したことを格上げの背景としている。JCRファーマ<4552>との共同研究で創薬に成功した特殊環状ペプチド、米クリオ社と共同研究開発を行っているがん免疫治療薬、合弁のペプチスターなどに注目しているようだ。

<6901> 沢藤電 2128 +400ストップ高。木村化工機<6378>や岐阜大学と共同で、ヒートポンプ式蒸留法とプラズマメンブレンリアクター水素製造装置および燃料電池発電システムをコンバインドし、低濃度アンモニア水から高純度水素を製造し燃料電池で発電することに成功と発表。アンモニア排水を利用して発電する実証は世界初という。水素製造装置は同社と岐阜大学が共同開発しているもの。今後の展開力に期待で、木村化工機とともに買いが殺到した。

<9424> 日本通信 249 +50ストップ高。東南アジアを中心にデジタル・トランスフォーメーションを推進するPT
ALL ACCESS AREA、HISのグループ企業でバンキングサービスを提供するHIS Impact Financeと、スマホによる新統合デジタルサービスの提供を目指すことについて意見が一致し、共同プロジェクトを発足すると発表。FPoSの本格商用サービスへの採用に関する初の基本合意で、今後の展開への期待高まる。

<9792> ニチイ学館 1750 +90大幅続伸。みずほ証券では投資判断「買い」を継続し、目標株価を1850円から2000円に引き上げている。業績下方修正を受けて直近で株価が急落した経緯もあることから、ポジティブなインパクトにもつながる形へ。みずほ証券では、修正計画はコンセンサスに沿う内容で意外性が全くない上に、上期段階で通期計画を下方修正したのは株式市場との信頼再構築に向けた意思の表れと判断、株価下落には違和感としている。

<9768> いであ 2280 +114大幅続伸。前日に配当予想の上方修正を発表、買い手掛かり材料とされている。12月期末の一括配当金を従来予想の20円から30円にまで大幅に引き上げている。前期は記念配当2.5円を含めた20円配当であった。11月5日には業績予想の大幅上方修正を発表していたが、配当予想は据え置いていた。配当利回り、配当性向の水準は高くなく、今後も業績上伸に伴った配当引き上げ余地があるとの見方にも。

<4188> 三菱ケミHD 835.1 -29.2大幅反落。田辺三菱薬<4508>の完全子会社化を発表したが、同社にとっては買収プレミアムが高いとして、ネガティブな見方が先行した。自己資本に対する取得額の割合も高く、財務悪化への警戒感もあるもよう。また、短期的にコストシナジーや売上シナジー効果は大きくないとみられているなか、石化事業と医薬事業では事業特性が根本的に異なるため、統一的に事業運営するインセンティブに乏しいとの見方もあるようだ。

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