国内株式市場見通し:金融イベント控えるなかでも堅調推移継続か

配信元:フィスコ
投稿:2019/10/26 14:41
日経平均3週連続高で22800円台に

前週の日経平均は上昇し、年初来高値の更新基調が継続した。週間では3週連続高となった。週明け21日の東京市場は英国の欧州連合(EU)離脱を巡る不透明感が上値を抑えたものの、企業業績の改善期待を背景とした買いが継続して日経平均は小幅続伸となった。ただ、「即位礼正殿の儀」の祝日を前に積極的な売買も手控えられた。21日のNYダウは、中国劉鶴副首相が閣僚級協議の進展に言及したことに加えて、ジョンソン英首相が離脱期限の延期を欧州連合(EU)に申請したことが伝わり上昇、翌22日はフェイスブックが独禁法に基づく調査を受けていることが明らかとなりハイテク株に売りが広がったことなどから小幅反落となった。祝日明けとなった23日の日経平均は3日続伸。米半導体大手の市場予想を下回る業績見通しを受けて関連銘柄に売りが広がったものの、本格化する企業決算を見極めたいとの思惑も強く、大引けにかけて強含んだ。個別では、米バイオジェンと共同開発しているアルツハイマー病治療薬を米食品医薬品局(FDA)に承認申請する方針を明らかにしたエーザイ<4523>が、ストップ高比例配分となったことが話題になった。対照的に、米シェアオフィス大手の経営支援を巡り負担懸念が先行したソフトバンクG<9984>は軟調であった。EUが英国の離脱延期申請を全会一致で支持し、合意なきEU離脱への懸念が後退した23日のNYダウは小幅反発した。為替市場で1ドル=108円台後半に円安が進行したことを受けて24日の日経平均は4日続伸となった。通期業績見通しを下方修正した日本電産<6594>が、売り一巡後に前日比プラスに転じたことが好地合いを支えた。24日の米ハイテク株高の流れを好感して25日の日経平均は5日続伸となった。週末要因から積極的な買いは手控えられたが、大引けにかけて強含んだ。物色としては、東京エレクトロン<8035>ディスコ<6146>など半導体製造装置関連株の上昇が目立った。日経平均は昨年10月18日以来(取引時間中)およそ1年ぶりに一時22800円台に乗せた。

日経平均23000円台乗せの期待も

今週の日経平均は、日米の金融イベントを控えて一服商状が想定される中でも堅調な展開が想定される。前週の日経平均は週間ベースで307円強、直近3週間では約1389円の上昇幅をみていることからスピード調整があってもおかしくないタイミングだ。また、29日からの米FOMC(連邦公開市場委員会)、30日からは日銀金融政策決定会合を控えている。16日に発表された米9月小売売上高が7カ月ぶりに減少に転じたことでFRB(米連邦準備制度理事会)が9月に続いて今年3回目となる追加利下げを実施する見方が強まっている。米国企業の決算発表はピークを迎え28日のアルファベット、29日のゼネラル・モーターズ、30日のアップルなどが注目される。また、文化の日の振替休日で3連休を控えていることから、週後半には一服感が生まれやすいだろう。ただ、米中貿易摩擦や英国の欧州連合(EU)離脱問題など外部環境の不透明感はなお残るものの、企業業績への期待感が増す地合いとなっていることから、下値不安も少ない。国内では、28日にファナック<6954>キヤノン<7751>、29日に野村HD<8604>、30日にソニー<6758>、31日に東京エレクトロン<8035>任天堂<7974>、1日に日本製鉄<5401>が決算発表を予定している。23日の決算発表で通期予想を下方修正した日本電産の市場反応から、過度な業績不安は後退している。半導体のインテルが予想を上回る決算を発表して25日の米国市場で上昇したことを受けて、日経平均に寄与度が大きい半導体関連株が一段高となれば、日経平均は取引時間中で昨年10月11日以来となる23000円台をキャッチアップしてくる可能性もある。リスク要因としては、為替の動向と31日発表予定の中国10月製造業PMIが挙げられよう。

■ソフトバンク、新興市場にも関心向く

一方、個別ではシェアオフィス事業を手掛ける米ウィーワークの支援問題で株価が調整しているソフトバンクGの動向が注目されてくる。29日から31日に掛けてサウジアラビア・リヤドで開催される「未来投資イニシアチブ(FII)」に孫正義CEOが出席する予定だ。「ソフトバンク・ビジョン・ファンド」への大口出資者であるサウジ政府系とアブダビ政府系のファンド幹部と接触すると報じられている。ポジティブ材料が出てくれば指数インパクトの大きい銘柄なだけに、物色ムードの更なる好転も期待される。また、軟調な展開が懸念されていた新興市場も25日にかけてJASDAQ平均とマザーズ指数がともに6日続伸と復調の兆しを見せてきたほか、新規上場が4銘柄登場することも物色の刺激材料となってくる。決算発表シーズンの本格化と金融イベントを控えて大型株には動きにくさが出てくることから、値動きが軽い中小型銘柄、新興市場銘柄にも物色の手が伸びてくることも予想される。

■金融政策決定会合など控える

主な国内経済関連スケジュールは、28日に9月企業向けサービス価格指数、30日に日銀金融政策決定会合(31日まで)、9月商業動態統計、31日に黒田日銀総裁会見、日銀「経済・物価情勢の展望(展望レポート)」、9月鉱工業生産、11月1日に9月失業率・有効求人倍率、10月自動車販売などが予定されている。


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