今年もこの季節がやってきた!

著者:比嘉洋
投稿:2019/10/23 16:22

●株の季節性を為替に利用した戦略

NYダウのシーズナルチャート(過去20年間)
毎年この時期になると株式市場の季節性を為替に利用した「10月末買い・翌年4月末売り」のトレードをご案内してきました。ただ、今年に限っては、ちょっとこの戦略を年末までに絞っても良いのでは?と考えています。今年年始の急落を記憶されている方も多いでしょう。そういったこともあり、今年は「10月末買い・12月末売り」、そして、仮に今年のように年明けに急落があれば、再度拾い、春先に利確する2段構えで臨まれてはいかがでしょうか?というのが私の今年のご提案です。もちろん、この戦略が毎回うまくいくという保証はありませんが、為替は「確率に賭けるゲーム」と言われており、ストップ注文を入れつつ、検討してみる余地はあると思っています。

ご存知の通り、FRBは今月15日より短期の資金供給を行うことを発表しています。パウエル議長曰く「これはQE4ではない」と言っていましたが、マーケット関係者誰もがQEであると言っています。となれば、株式市場にとってはサポート要因であり、年末にかけて株高となる可能性が高いと考えられます。残念ながら、このところドル安の流れとなっていますが、その分、クロス円にとっては追い風と言えます。私は、当欄で年末までドル円は106~109円のレンジでの動きになるのでは?とお伝えをしていましたが、過去10年の「10月末買い・12月末売り」のデータを調べてみたところ、NZドル円が9勝1敗という結果でした。因みにNYダウは8勝2敗、ただし、ドル円は6勝4敗という結果でした。特筆すべきは、昨年10月から12月にかけて株価が大幅安となった時でさえ、NZドル円は僅かながらも、同期間で陽線であったこと。

必ず10月末に買う必要はなく、その近辺で押し目を拾うくらいの気持ちで構いません。何回かに分けてポジションを持ってもらっても良いと思います。もし、そのポジションでご自身が気になる評価損を抱えた場合には、一旦、損切りを行うことも大事です。臨機応変に対応し、株の季節性を利用した為替戦略、ご検討いただけたら、幸いです。
比嘉洋
マネースクエア シニアコンサルタント
配信元: 達人の予想