【買い】日本郵船(9101)

著者:堀篤
投稿:2019/10/21 08:46

来期は業績への寄与が期待できる

 国内トップの海運事業会社。
同社は今期業績に期待がかかる主力企業の1社。前期の営業利益110億円に対し、今期は345億円を見込んでいる。LNGの活況と米中貿易摩擦の緩和が、同社株価を押し上げる要因となるだろう。
LNG施設(液化天然ガス)需要の拡大により、その運搬船であるLNG船は活況を呈しつつある。LNGについては、世界最大の輸出国カタールはもちろん、今後、アフリカのモザンビーク、ロシアなどでも、プロジェクトが立ち上がり、中期的な成長分野になっている。
また、来期は、同社が出資した北米のLNG施設が立ち上がる予定で、業績への寄与が期待できる。

一方で、リスクとしては、環境規制の関係で、海運事業の燃料コストが上昇することが挙げられる。これは、顧客への価格へ転嫁する以外に解決方法は無く、代替輸送苞が無い現状ではそれほど心配する必要はないだろう。ただし、燃料の確保が困難な情況になれば、悪影響が出るが、その心配はまだ先の話だろう。
また、タンカーへのミサイル攻撃も業界の大きなリスクだ。政府は、このような中東情勢に対し、自衛隊の派遣を検討し始めたことは、一つの好材料と言える。

同社は、期初の予想数値に対して、7月に一度、下方修正を発表しており、これ以上の修正のリスクは少なくなっている。株価は前回7月末の高値を抜けてきており、米中貿易問題が緩和方向に向かえば、さらに大きな回復基調に乗るだろう。2018年年初には3000円をつけた銘柄だけに、戻りが始まれば大きい可能性がある。
堀篤
日本マネジコ、東京スコットマネジメント代表取締役
配信元: 達人の予想

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