【これからの見通し】ブレグジット合意を織り込むポンド相場も、ボラティリティーは高い

著者:MINKABU PRESS
投稿:2019/10/17 15:53
【これからの見通し】ブレグジット合意を織り込むポンド相場も、ボラティリティーは高い

 為替市場ではポンド相場が流れをリードしている。先週後半からはブレグジット合意を織り込みながら、ポンド高が継続している。ポンドドルは先週末の1.22台から昨日は1.28台後半まで上昇した。ポンド円も131円台から140円をつけた。ただ、ポンド関連の1週間のオプションは、ボラティリティーが18-20%の水準となっており、その他主要通貨の3-4倍の変動期待となっている。

 きょうあすとEU首脳会議が開催される。英国の新提案を受け入れるのかどうかが焦点となっている。今週はそれに先立ってジョンソン英首相側とDUPとの協議が続けられている。肯定的、否定的な報道が各方面から飛び交っており、ポンド相場は極めて神経質な値動きを示している。足元では、現状の英政府の提案について、DUPは受け入れられないと報じられており、ポンド売りの動きがみられた。関税関連(カスタム)、地方議会での国境問題に関する権限(コンセント)などで意見の相違が続いているようだ。

 英政府閣僚からは「注意深く、楽観的な姿勢で」との発言があった。現状のムードをよく表してるようだ。昨日までと同様に、好悪材料でポンド相場が激しく振幅することが予想される。

 この後発表される経済指標は、英国では小売売上高(9月)が発表される。きょうは米国関連が多い。新規失業保険申請件数(12日までの週)、フィラデルフィア連銀景況指数(10月)、住宅建設許可件数(9月)、住宅着工件数(9月)、鉱工業生産(9月)、設備稼働率(9月)、週間石油在庫統計などが発表される。

 金融当局者発言関連はNY時間後半に集まっている。ビルロワドガロー仏中銀総裁、ボウマンFRB理事、エバンス・シカゴ連銀総裁、ビスコ伊中銀総裁、ロウ豪中銀総裁、ウィリアムズNY連銀総裁、クノット・オランダ中銀総裁、デコス・スペイン中銀総裁など。ECBとFRB高官の講演予定が多い。月末の米FOMC会合を控えて、来週からは米金融当局者が発言を手控えるブラックアウト期間に入る。NY連銀総裁あたりから利下げなどについてのヒントがでてくるかどうか。また、レポによる資金供給についての説明もありそうだ。 
 
MINKABU PRESS 松木秀明

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