目先は“上値の重さ”が目立ちそうだが…? - ドル円

著者:武市佳史
投稿:2019/09/30 10:46

◆“108円回復”するも、押し戻される

※ご注意:予想期間は10月1日と表示されていますが、本日(9月30日)の東京・欧州・NY市場の値動きを想定した記述となります。


強弱が交錯していた「米中通商協議」への思惑ですが、『閣僚級協議を10/10-11の日程で決定』との報を背景に“ドル買い”が勝りました。
『サウジアラビア-イエメン間で限定的停戦に合意』との報も“リスク回避の巻き戻し⇒円売り”を誘った印象があり、ドル円は“108円台”へと駆け上がりました。

しかし期待した“ストップロス”を絡めるには至らず、その後は“伸び悩み”に転じています。
このため“108.180円”で上値は限定されており、最終的には“108円割れ(107.919円)”へ押し戻されて、先週末の取引を終えています。

◆しかし“上値の重さ”ばかりが囃されるわけではない…!?

“上値の重さ”を再認識した格好といえますので、目先は“108円越えへの再トライ”には警戒感が漂う展開が想定されるところです。
108円ラインに近づくにつれて“戻り売り圧力が湧き出す”といった展開にも、十分に警戒をしておく必要がありそうです。

それでも本日予定される「中国経済指標(公式/非公式の製造業PMI等)」は、“ある程度の悪化”がすでに織り込まれた印象があります。
そうなると“大きなネガティブ”にはなりづらいと見るのが自然であり、明日の「中国建国70周年」に向けては“動きづらい”と考えることは可能ということになります。
それでいて月末・四半期末に当るため、「ドル買い需要」は大いに期待されるところです。

“上値の重さ”が再認識された格好ではありますが、それでも“崩れない(下値は堅い)”といった展開を本日は想定したいところです。
そして仮にこの見方が正しいとすれば、週初こそ“上値の重さ”が目立つでしょうが、週半ば以降は逆に“底堅い”が目立つ…?

◆ドル円 抵抗・支持ライン

上値5:108.890(+2σ)
上値4:108.707(ピボットハイブレイクアウト)
上値3:108.474(9/18-19高値、週足・一目均衡表基準線、月足・一目均衡表転換線、ピボット2ndレジスタンス)
上値2:108.180(9/27高値、+1σ、ピボット1stレジスタンス)
上値1:108.000(大台)
前営業日終値:107.919
下値1:107.803(100日移動平均線)
下値2:107.654(9/27安値、日足・一目均衡表転換線、ピボット1stサポート)
下値3:107.571(9/24~9/27の50%押し、20週移動平均線)
下値4:107.427(9/26安値、9/24~9/27の61.8%押し、20日移動平均線、ピボット2ndサポート)
下値5:107.079(50日移動平均線、ピボットローブレイクアウト)
武市佳史
株式会社マネーパートナーズ チーフアナリスト
配信元: 達人の予想