FOMC受けドル買いの反応 追加利下げ見込まず中立姿勢を強調か=NY為替後半

著者:MINKABU PRESS
投稿:2019/09/19 05:20
 きょうのNY為替市場、午後になってドル買いが優勢となり、ドル円は108円台半ばに上昇した。午後に公表されたFOMCの結果とパウエルFRB議長の会見を受けて為替市場はドル買いの反応を見せている。FRBは大方の予想通り0.25%の利下げを打ち出して来た。しかし、それ自体にはサプライズはなく注目は、FOMCメンバーの金利見通し(ドット・プロット)から追加利下げへのヒントを探りたいところだったが、ドット・プロットの中央値は2019年末も2020年末も1.875%とこの日決定した水準と変わらずとなっている。中央値だけから見れば追加利下げは見込まれていない。

 しかし、ドット・プロットのばらつきを見ると、追加緩和の必要性でメンバー内の意見が真っ二つに割れている様子も示された。予想以上にハト派色はなく為替市場はドル買いの反応を見せているが、内容の割にはドル買いの反応は小幅な印象。

 パウエルFRB議長は会見で、経済が弱まれば追加利下げが必要となる可能性にも言及しており、中立姿勢を強調したかった印象もうかがえる。

 早速、トランプ大統領からは「またも失敗、ガッツがない!」との苦言が出ていたが、パウエルFRB議長は会見で、政策政決定は経済指標次第である点を強調していた。

 ポンドドルはFOMCを受けて一時1.25ドル台を回復。きょうは英消費者物価指数(CPI)が予想を下回る内容だったことから、ポンドドルは1.2440ドル近辺まで値を落とす場面も見られていた。

 その英CPIだが、前年比1.7%と英中銀のインフレ目標である2%を下回っていたほか、食品・エネルギーを除いたコア指数も前年比1.5%に低下していた。コンピューターゲームや衣料品がインフレを抑えた。

 英中銀は2020年末までインフレ率が目標を下回って推移すると予測しており、その通りの結果が出始めている。明日は英中銀の金融政策委員会(MPC)が予定されているが、金利は据え置きが予想されている。英中銀はEU離脱が混乱なく通過すれば利上げの選択肢を残してはいるものの、今回のCPIを見た限りでは利上げ期待は後退させざるを得ない。

 ユーロドルもFOMCを受けて1.10ドル台前半に値を落としている。ただ、1.10ドル台は堅持しており、きょうのところは流れに大きな変化はない。ただ、21日線は再び下回っている。

minkabu PRESS編集部 野沢卓美

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