明日の株式相場戦略=10月補正予算を睨み新星輝くか
きょう(18日)の日経平均株価は小幅ながら11日ぶりに反落。大引け寸前まで前日終値近辺で売り買いを交錯させていたが、最後の最後に大口の売り注文が来て結局40円安で着地。前日まで10連騰を演じ、この間に1380円の大幅上昇をみせたが、長い連騰劇はひとまず幕を引いた。
東京株式市場は9月のビッグイベントとなった日米欧の中央銀行による政策決定会合が通過した後、不安定な動きとなることも予想されるが、現実問題として権利取りの動きが消える27日以降に警戒が強まるかもしれない。貸株注意喚起の対象となっているNEXT FUNDS 日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信<1570.T>については、日証金で引き続き50円の逆日歩がついた状態ながら、貸株(売り残)が減少する一方で融資(買い残)が増加しており、逆日歩は早晩解消の方向に進むことが予想される。過去最高水準の更新が続いていた裁定売り残も減少に転じる公算が大きいが、その整理の度合いも注目される。
10月の消費税引き上げを相場はどこまで織り込んでいるのか。これは未知数ながら、前回の消費税引き上げ(5%→8%)があった2014年4月以降の相場を振り返ると、日経平均はいったん弱含んだものの年後半にかけて上昇トレンドを形成し、この上昇波は15年6月まで1年以上継続した。ただし、この時は急速な円安に連動した部分が強かった。今回は日米金利差縮小の流れが意識されるなか常識的には円安が進む環境にはなく、その点はやや心もとない。
しかし、10月は緩衝材として補正予算の編成が期待される。ここ台風15号の被害なども目の当たりにその復興や無電柱化推進などへの思惑から、建設会社や建設資材メーカーなどの株価が上昇したが、「国土強靱化」を看板に建設関連セクターに国策買いの動きが継続するようなら、個別株戦略にも生かせそうだ。
大成建設<1801.T>、大林組<1802.T>、清水建設<1803.T>、鹿島<1812.T>などゼネコンは足もと動きが止まっているが、中小型株では道路など土木を主力とする森組<1853.T>やプレストレストコンクリート工事に強いピーエス三菱<1871.T>などが面白い存在。
また、電線地中化では物色対象として脚光を浴びることが多いイトーヨーギョー<5287.T>が目先需給相場の色を強め、きょうはストップ高に買われた。もちろん、これに参戦するよりは、“次の候補”を探す方が投資スタンスとしては正しい。
そうしたなか、低位株で動兆著しいのがジオスター<5282.T>だ。建設用コンクリート2次製品メーカーで、日本製鉄<5401.T>の傘下にある。トンネルの内壁材であるセグメントでトップシェアを誇り、国土強靱化のテーマに乗る。地下河川や共同溝向け土木製品にも展開し、豪雨対策関連の一角として、投資マネーの琴線に触れたようだが、まだ続きがありそうだ。株価低位で商いをこなすだけに上ヒゲをつけやすい特性は理解しておく必要があるが、直近の出来高急増は、波状的な上昇相場に発展する可能性も示唆している。20年3月期は大幅減益が避けられない見通しながら、ファンダメンタルズ面の株価への織り込みが進んだ。少し長いタームで週足を眺めれば思わず目を見張る。株価は2017年の春先から、三角定規で引いたような一直線の下り坂を2年半続けた。配当利回り2.5%台でPBR0.5倍、解散価値の半値というのは売られ過ぎ。21年3月期の利益急回復を先取りする形で大勢トレンド転換があっても不思議はない。
日程面では、あすは日銀の金融政策決定会合2日目で、その結果発表と黒田日銀総裁の記者会見が予定される。また、東証マザーズにサイバーバズ<7069.T>が新規上場する。海外では、4~6月の米経常収支、8月の米中古住宅販売件数、8月の米景気先行総合指数などが注目される。(中村潤一)
出所:minkabuPRESS
東京株式市場は9月のビッグイベントとなった日米欧の中央銀行による政策決定会合が通過した後、不安定な動きとなることも予想されるが、現実問題として権利取りの動きが消える27日以降に警戒が強まるかもしれない。貸株注意喚起の対象となっているNEXT FUNDS 日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信<1570.T>については、日証金で引き続き50円の逆日歩がついた状態ながら、貸株(売り残)が減少する一方で融資(買い残)が増加しており、逆日歩は早晩解消の方向に進むことが予想される。過去最高水準の更新が続いていた裁定売り残も減少に転じる公算が大きいが、その整理の度合いも注目される。
10月の消費税引き上げを相場はどこまで織り込んでいるのか。これは未知数ながら、前回の消費税引き上げ(5%→8%)があった2014年4月以降の相場を振り返ると、日経平均はいったん弱含んだものの年後半にかけて上昇トレンドを形成し、この上昇波は15年6月まで1年以上継続した。ただし、この時は急速な円安に連動した部分が強かった。今回は日米金利差縮小の流れが意識されるなか常識的には円安が進む環境にはなく、その点はやや心もとない。
しかし、10月は緩衝材として補正予算の編成が期待される。ここ台風15号の被害なども目の当たりにその復興や無電柱化推進などへの思惑から、建設会社や建設資材メーカーなどの株価が上昇したが、「国土強靱化」を看板に建設関連セクターに国策買いの動きが継続するようなら、個別株戦略にも生かせそうだ。
大成建設<1801.T>、大林組<1802.T>、清水建設<1803.T>、鹿島<1812.T>などゼネコンは足もと動きが止まっているが、中小型株では道路など土木を主力とする森組<1853.T>やプレストレストコンクリート工事に強いピーエス三菱<1871.T>などが面白い存在。
また、電線地中化では物色対象として脚光を浴びることが多いイトーヨーギョー<5287.T>が目先需給相場の色を強め、きょうはストップ高に買われた。もちろん、これに参戦するよりは、“次の候補”を探す方が投資スタンスとしては正しい。
そうしたなか、低位株で動兆著しいのがジオスター<5282.T>だ。建設用コンクリート2次製品メーカーで、日本製鉄<5401.T>の傘下にある。トンネルの内壁材であるセグメントでトップシェアを誇り、国土強靱化のテーマに乗る。地下河川や共同溝向け土木製品にも展開し、豪雨対策関連の一角として、投資マネーの琴線に触れたようだが、まだ続きがありそうだ。株価低位で商いをこなすだけに上ヒゲをつけやすい特性は理解しておく必要があるが、直近の出来高急増は、波状的な上昇相場に発展する可能性も示唆している。20年3月期は大幅減益が避けられない見通しながら、ファンダメンタルズ面の株価への織り込みが進んだ。少し長いタームで週足を眺めれば思わず目を見張る。株価は2017年の春先から、三角定規で引いたような一直線の下り坂を2年半続けた。配当利回り2.5%台でPBR0.5倍、解散価値の半値というのは売られ過ぎ。21年3月期の利益急回復を先取りする形で大勢トレンド転換があっても不思議はない。
日程面では、あすは日銀の金融政策決定会合2日目で、その結果発表と黒田日銀総裁の記者会見が予定される。また、東証マザーズにサイバーバズ<7069.T>が新規上場する。海外では、4~6月の米経常収支、8月の米中古住宅販売件数、8月の米景気先行総合指数などが注目される。(中村潤一)
出所:minkabuPRESS
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