今週の米ドル/円予想 市場心理の改善 リスクオン相場は続くのか(9/9週)

著者:山口哲也
投稿:2019/09/09 12:35

【先週のドル/円の動向と今週の主要イベント】

今週の主要経済指標
先週の米ドル/円は続伸。週初106.075円で寄り付いた日経225は、香港政府の逃亡犯条例の撤回や、英国議会でEU離脱延期法案が可決されたこと、さらには米中通商交渉の10月再開期待などを受けて、市場心理が改善。リスクオンムードにより107円台を回復する展開となりました。終値は106.950。
なお、注目されていた、米8月ISM製造業景気指数は49.1(市場予想51.3、前回51.2)、米8月ISM非製造業景気指数は56.4(市場予想54.0、前回53.7)、米8月雇用統計は失業率が3.7%(市場予想3.7%、前回3.7%)、非農業部門雇用者数の伸びが前月比+13万人(市場予想+16万人、前回+16.4万人)、平均時給が前月比+0.4%(市場予想+0.3%、前回+0.3%)でした。

今週の主な経済指標は以下のとおりで、来週のFOMCや日銀の金融政策決定会合を控える中で緩和期待の高まる12日のECB理事会や、米国の景気動向を占う上で個人消費を読み取るカギとなる13日の小売売上高(予想前月比0.2%、前回前月比0.7%)は注目度が高いです。

また、9日には英国のEU離脱延期法案が成立する可能性があり、11日には内閣改造、9月中におこなわれる予定で先週10月と報じられている米中通商交渉についても引き続き、両国からの発言・発表等に注目です。

【米ドル/円(TFX)週足 チャート】

【米ドル/円(TFX)週足 チャート】
米ドル/円の週足チャートです。
移動平均線は上から順に52週MA(110.129)、26週MA(108.668)、13週MA(107.072)で、全て下向きとなっており、価格は13週MAにレジストされています。先々週に2016年11月ぶりとなる104.440台まで下落し、その反動もあり107円台まで値を戻しましたが、各移動平均線の傾きと価格との位置関係からは下降トレンド継続と判断されます。
週足ベースでの当面のレジスタンスは、13週MAの位置する107円前後。サポートは106.000。これを下回ると105円前後が目標値となります。

【米ドル/円(TFX)日足 チャート】

【米ドル/円(TFX)日足 チャート】
米ドル/円の日足チャートです。
200日MA(109.545)、一目の雲(上限107.855、下限107.552)、基準線(105.843)が下向きで、価格は200日移動平均線、一目の雲の下側に位置しています。転換線が基準線を上回っているものの、基準線の向きは短期トレンドを示しており、一目雲の下限が目先のれレジスタンスとして意識されます。また、ストキャスティクスが高い水準(%D89%、%SD85%)まで上昇しており、これらが下降基調となるタイミングでの売りがメインシナリオとなります。

このコメントは弊社チーフテクニカルアナリスト山口の個人的な見解で、内容を保証するものではありません。また、売買を推奨するものでもありません。ご理解のほどよろしくお願いいたします。
山口哲也
フジトミ証券株式会社 チーフ・テクニカルアナリスト
配信元: 達人の予想