“期待感”あるが、“過度に”は禁物…!?

著者:武市佳史
投稿:2019/08/30 10:57

◆「米中貿易懸念」に緩み ― “巻き戻し”先行

※ご注意:予想期間は8月31日と表示されていますが、本日(8月30日)の東京・欧州・NY市場の値動きを想定した記述となります。


「イメージは下方向」に傾斜しているときは、得てしてこんなもの…。

「米中貿易懸念」が緩んだ昨日は、“巻き戻し”が先行しました。
「米4-6月GDP」は“下方修正(+2.1%⇒+2.0%)”されたものの、およそ7割を占める「個人消費」が“2014年10-12月以来の高い伸び(+4.7%)”を示したことで、相殺されました。
米10年国債利回りは“1.50%”を一時回復、NYダウも“+326ドルの続伸”を見せる中、ドル円は“106.677円”へと上値を伸ばしています。

◆ただマーケットは“疑心暗鬼”のまま…?

こうして“下値はしっかり”を見せつけたものの、依然として“戻り売り”も根強いものがあります。
“リスク選好”に傾斜しているわけではなく、マーケットは“疑心暗鬼”の様相を示したにすぎません。

昨日の上値を押さえ込んだ“106.70円水準”というのは、いわゆる「テクニカル的な要所(8月半ば以降の上値抵抗)」に当たります。
そして“同ライン”を越えたとしても、まだ“8/1~8/26の50%戻し&日足・一目均衡表基準線(106.880円)”が待ち構えています。
合わせて突破できれば“さらなる巻き戻し(本格的な上昇?)”も期待されるところですが、現時点でそのキッカケとなり得るのは、やはり「米中絡みのヘッドライン」ということになります。

本日は「対中関税第4弾の発動(9/1~)」前の週末であるとともに、「米3連休(9/2はレーバーデー、米国市場は休場)」前の週末でもあります。
もちろん“(上抜けへの)期待感”は持っていますが、“過度な期待”は禁物な状況でもあるといえる…?
「方向感は定まっていない」と見ながら、“神経質に揺れ動く(であろう?)”マーケットと慎重に対峙する必要がありそうです。

◆ドル円 抵抗・支持ライン

上値5:107.089(8/6高値)
上値4:106.972(8/13高値、+2σ、大台)
上値3:106.880(8/1~8/26の50%戻し、日足・一目均衡表基準線、週足・一目均衡表転換線、ピボット1stレジスタンス)
上値2:106.769(8/15高値、8/23高値)
上値1:106.677(8/29高値)
前営業日終値:106.514(+1σ)
下値1:106.261(8/27~8/29の38.2%押し)
下値2:106.141(20日移動平均線、8/27~8/29の50%押し)
下値3:106.000(大台、8/27~8/29の61.8%押し、ピボット1stサポート)
下値4:105.829(8/29安値、8/26~8/29の38.2%押し、-1σ)
下値5:105.651(8/26安値)

11:34 ドル円 抵抗・支持ライン追加
武市佳史
株式会社マネーパートナーズ チーフアナリスト
配信元: 達人の予想