今週の日経225予想 ブレグジットリスクと米企業決算が重石に?(7/22週)

著者:山口哲也
投稿:2019/07/22 14:06

【先週の日経225の動向と今週の主要イベント】

今週の主要経済指標
先週の日経225(TFX)は続落。週初、21,655円で寄り付いた日経225は、参議院選前で商いが薄い中、NYダウが27,398.68と過去最高値を更新するもその後やや弱含みで推移したことに加え、為替が円高基調で推移したことで、18日に21,024円まで下落。(原資産の日経平均株価指数は21,000円割れ20,993.44まで下落)翌19日には、為替が円安に振れたことや米株式市場が反発したことなどから21,519円まで値を戻し、21,391円で引けました。
今週の主な経済指標は図のとおりですが、英国の保守党党首が今週決まる予定となっており、イギリス発のニュースにも注目です。なお、世論調査で優勢なボリス・ジョンソン氏は、合意なき離脱も辞さない姿勢を示しています。
米国の利下げについては、7月のFOMCにおいて0.25%(25bp)の利下げが確実視されますが、一部で50bpの利下げを予想する向きもあり、今週発表される米国の住宅関連指標や第2四半期GDP(速報値)にも注目です。
また、今週は米企業決算が多く予定されていること、利下げが予想される25日のトルコの政策金利の発表にも注意が必要です。

【日経225(TFX) 週足 チャート】

【日経225(TFX) 週足 チャート】
日経225(TFX)の週足チャートです。
移動平均線は上から順に52週MA(21,762円)、26週MA(21,456円)、13週MA(21,396円)でそれぞれが下向きとなっており、丁度13週MAと26週MAがデッドクロスするかどうかというタイミングにあります。また、価格は13週MAの上、26週MAの下に位置しており、目先はこれらの移動平均線がチャートポイントとして意識されます。
相場のトレンドは移動平均線の向きや価格との位置関係から緩やかな下落と考えられ、ストキャスティクスも50を少し超える水準で下向きに変化しつつあるため、中長期的なスタンスとしては52週MAをバックに戻り売りを考えたいところです。

【日経225(TFX) 日足 チャート】

【日経225(TFX) 日足 チャート】
日経225(TFX )の日足チャートです。
200日移動平均線(21,438円)と一目の雲(上限21,431円)は下向きながら、価格は辛うじてこの上側にとどまっているという状況です。更に転換線も21,395に位置しており、21,390円から21,440円での攻防が意識されますが、この価格を下に突き抜ける場合は、先週の安値21,024円や雲の下限(20,987円)が、次の下値の目途となります。一方で、200日移動平均線や一目の雲、転換線に下支えされる場合でも、昨年10月の高値24,576円と今年5月の高値22,525円を結ぶ下降トレンドライン(チャート上の黄色いライン)が上値抵抗として意識されます。
参議院選挙の結果は、自民・公明の連立与党が71議席と改選議席数の過半数を上回ったこと、改選前の議席数比で1議席多く獲得したことで、週明けの相場は大きく売られる展開は避けられましたが、今週は米企業決算が多く、比較的弱い結果も予想されてるため、米株式市場の動向によっては、一段安となる可能性もあるかもしれません。


このコメントは弊社チーフテクニカルアナリスト山口の個人的な見解で、内容を保証するものではありません。また、売買を推奨するものでもありません。ご理解のほどよろしくお願いいたします。
山口哲也
フジトミ証券株式会社 チーフ・テクニカルアナリスト
配信元: 達人の予想