今週の日経225予想 米主要経済指標に注目(7/1週)

著者:山口哲也
投稿:2019/07/01 13:40

【先週の日経225の動向と今週の主要イベント】

今週の主要経済指標
先週の日経225(TFX)は小幅反発。週初、21,300円で寄り付いた日経225は、週末のG20(大阪サミット)や米中首脳会談を控え方向感に欠ける展開となりました。米国とイランの間で軍事的な緊張の高まりから米ドル/円相場が一時106円765まで円高に振れ、米中の貿易問題についても楽観的な報道や悲観的な報道が相次ぎ、株式市場は右往左往する展開となりました。終値は21,362円。

今週の主な経済指標は図のとおりで、特に米国の主要な経済指標が目白押しです。
1日はISM製造業景況指数、3日にISM非製造業景況指数、米国の独立記念日(7/4)を挟んで5日に雇用統計があります。
特に7月末の利下げ期待がマーケットにおいて高まっている中で、先月末に発表されたインフレ指標は1QPCEデフレータが+0.9%(市場予想:0.8%)、5月PCEデフレータが前月比0.2%(市場予想:同0.2%)、前年比1.5%(市場予想:同1.5%)、5月PCEコアデフレータが前月比0.2%(市場予想:同0.2%)、前年比1.6%(市場予想:同1.6%)となっており、特に悪いという結果ではありませんでした。
今週発表されるISMや雇用統計の結果からFEDの金融政策変更に対しての姿勢も決まってくると考えられるため、特にこれらの指標に注目です。
なお、週初のマーケットは、週末に開催されたG20や米中首脳会談、米朝首脳会談などの結果を好感し、日経225は21,692でスタートしています。

【日経225(TFX) 週足 チャート】

【日経225(TFX) 週足 チャート】
日経225(TFX)の週足チャートです。
移動平均線は上から順に52週MA(21,827円)、13週MA(21,556円)、26週MA(21,365円)となっており、価格は52週MAと13週MAの間に位置しています。
移動平均線の向きや価格との位置関係では方向感に乏しく、当面は21,000円から22,000円でのレンジ相場を予想しています。
なお、現在の価格21,700円前後は4月末の高値22,525円から6月初めの安値20,337円に対する61.8%戻しとなる水準21,689円とほぼ重なります。
そのため、当面は13週MAやフィボナッチリトレースメントで61.8%となる21,689がサポートとして、また、52週MAが位置する21,830円前後がレジスタンスとして意識され、どちらかをブレイクするタイミングに注目です。

【日経225(TFX) 日足 チャート】

【日経225(TFX) 日足 チャート】
日経225(TFX )の日足チャートです。
先週末のG20や米中首脳会談を好感し、本日の日経225は21,700円台まで値を上げました。日足ベースでは200日移動平均線が位置する21,603円や一目の雲の上限21,674円がチャートポイントとして意識され、終値ベースでこれらを上回ることができるかどうかに注目です。その場合、日足ベースでの売買スタンスは買いとなりますが、週足チャートでは方向感が読めないため、利食い幅は小さめに考えておく必要があると思います。
また、逆に一目の雲の下限(21,435)を下回る場合は、短期下降トレンドと読み取ることができ、売りスタンスとなります。
なお、その場合の目標価格は一目の基準線が位置する21,033円となります。


このコメントは弊社チーフテクニカルアナリスト山口の個人的な見解で、内容を保証するものではありません。また、売買を推奨するものでもありません。ご理解のほどよろしくお願いいたします。
山口哲也
フジトミ証券株式会社 チーフ・テクニカルアナリスト
配信元: 達人の予想