今週の日経225予想 大阪サミットで昨年末の雰囲気を醸成できるか(6/24週)

著者:山口哲也
投稿:2019/06/24 12:20

【先週の日経225の動向と今週の主要イベント】

今週の主要経済指標
先週の日経225(TFX)は反発も売られる展開。週初、21,117円で寄り付いた日経225は、FOMCを控えて小動きで推移。ECBのドラギ総裁が利下げの可能性を示唆したことに加え、G20での米中首脳会談が実現すると報じられたことで、米中関係の改善期待から底堅い展開で推移。FOMCでは、年内の利下げ期待が高まったことから20日には21,680円まで上昇しましたが、米国の長期金利の低下により対ドルで日本円が買われたことに加え、週末には中東の地政学リスクの高まりもあり値を下げ、21,317円で引けました。

今週の主な経済指標は図のとおりで、小粒な指標が多い印象です。
米国の利下げ期待が高まっている分、25日の米1QGDP(確定値)や28日の米5月PCEデフレータに注目です。
CMEの通貨先物から計算さる7月の利下げ確率は100%となっており、一般的には7月に利下げをするものと考えられます。
しかしながら、本来、7月のFOMCでの金融政策変更は異例です。(※米国はこれまで3・6・9・12月のFOMCで金融政策の変更をしてきました。)
また、景気・物価・雇用などが改善している場合は、利下げする理由自体が見当たりません。
(※FOMCの責務は「雇用の最大化」と「物価の安定」であると法律で決められています。)
逆に、FEDの要人発言なども今後多く予定されており、FEDが7月の利下げを内心で容認しているのであれば、米国債利回りの下落について否定的な発言はしないと考えられます。
なお、7月19日が、7月末のFOMCのブラックアウト期間(FEDメンバーが金融政策等について発言できなくなる期間)の始まりとなるので、そこまでの要人発言にも注目です。

また、今週末にはG20大阪サミットが開催されます。米中首脳会談が予定されており、先週の米国株は、会談実現の報道を受けて米中関係改善への期待感から上昇いたしました。

ただし、この問題については、どちら側かが歩み寄り譲歩しなければ進まない、非常に悩ましい状況にあると思われます。昨年末のアルゼンチンG20での米中首脳会談後のような雰囲気を今回も醸し出せるかに注目です。

【日経225(TFX) 週足 チャート】

【日経225(TFX) 週足 チャート】
日経225(TFX)の週足チャートです。
移動平均線は上から順に52週MA(21,834円)、13週MA(21,573円)、26週MA(21,317円)となっており、52週MAはやや下向き、13週MAと26週MAは先週に比べると若干ながら上向きで、価格はその下側に位置しています。
なお、先週の高値21,680円は4月末の高値22,525円から6月初めの安値20,337円に対する61.8%戻しとなる水準21,689円とほぼ重なります。
当面は13週MAやフィボナッチリトレースメントで61.8%となる21,689がレジスタンスとして意識され、これを上回れるかどうかに注目です。
ただ、先週もお伝えのとおり、中期的にはスピード調整にあるとみており、先週と同様に13週MAをバックに戻り売りを考えたいところです。

【日経225(TFX) 日足 チャート】

【日経225(TFX) 日足 チャート】
日経225(TFX )の日足チャートです。
先週ご案内のとおり雲の下限での戻り売りとなりました。
価格は、200日移動平均線や雲に上値を抑えられており、ストキャスティクスも高い水準から下向きとなっています。
今週末にG20を控えて動きにくい状況にはありますが、FOMCの結果を受けて為替も円高傾向で推移しており、株式市場には弱材料です。
今後の目先のレジスタンスは一目の雲の下限、その上が200日MA(21,664)で、この水準は週足13週MAやフィボナッチの61.8%戻しの水準とほぼ重なります。
一方、目先のサポートは基準線が位置する21,009円。

このコメントは弊社チーフテクニカルアナリスト山口の個人的な見解で、内容を保証するものではありません。また、売買を推奨するものでもありません。ご理解のほどよろしくお願いいたします。
山口哲也
フジトミ証券株式会社 チーフ・テクニカルアナリスト
配信元: 達人の予想