アイナボHD Research Memo(3):2019年9月期第2四半期は、営業利益は前期比54.9%の大幅増益

配信元:フィスコ
投稿:2019/06/19 15:03
■業績動向

1. 2019年9月期第2四半期の業績概要
(1) 損益状況
アイナボホールディングス<7539>の2019年9月期第2四半期の連結業績は、売上高35,597百万円(前年同期比8.0%増)、営業利益1,547百万円(同54.9%増)、経常利益1,684百万円(同54.0%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益で1,017百万円(同47.1%増)となった。順調に売上高を確保したことに加え、売上総利益率が1.2ポイント改善し、一方で販管費を予算内に抑えることができたため営業利益は大幅増益となった。ただし、前期の水準が低かったことも大幅増益の理由の1つだ。セグメント別の利益は、戸建住宅事業28.3%増、大型物件事業は44.7%増となり、両事業で増益を確保した。

営業利益の増減を分析すると、増益要因としては、売上総利益率改善(1.2ポイントアップ)による増加が411百万円、増収によるプラス効果107百万円、新規連結(今村)による増加が72百万円、一方でマイナス要因としては販管費の増加等による影響が41百万円であった。その結果、営業利益は前年同期比で548百万円減少した。

(2) セグメント別状況
セグメント別及びサブセグメント別状況は以下のようであった。

a) 戸建住宅事業
戸建住宅事業の売上高は30,642百万円(前年同期比3.2%増)、セグメント利益は1,732百万円(同28.3%増)となった。サブセグメント別の売上高は、外壁工事が7,390百万円(同6.2%減)、住設工事が9,068百万円(同18.4%減)、建材販売が7,423百万円(同33.2%増)、住設販売が6,760百万円(同31.7%増)となった。

2018年1月からのシステム変更に伴い、サッシ販売を住設販売から建材販売へ、工事を伴う現場に納入している商品販売を住設工事から住設販売へ組み替えた。住設販売が減収となり建材販売が増収になったのは、この組み替えの影響によるもので、内容が悪かったわけではない。前年同期は、新システムへの移行に伴い仕入れ等が甘くなり原価管理が徹底できなかったことなどから売上総利益率が低下したが、この影響は消失した。また経費面でも、物流や廃棄のコストの上昇があったが、いずれも想定内であり、一方で予算化していた人材採用が遅れたことなどから経費は予算内に収まった。その結果、セグメント利益は前年同期比28.3%増となった。

b) 大型物件事業
大型物件事業の売上高は4,954百万円(同51.5%増)、セグメント利益は432百万円(同44.7%増)となった。サブセグメント別では、タイル工事が2,122百万円(同65.4%増)、住設工事が2,831百万円(同42.5%増)となった。セグメント利益が増加したのは、主にタイル工事や官公庁向け空調設備工事などが好調であったため。

(3) 重点課題の達成状況
同社が「重点課題」とした各課題の達成状況は以下のようであった。

重点分野の状況を見ると、マリスト(タイル)の売上高と新規顧客件数の達成率はまずまずであったが、それ以外はやや見劣りする達成率であった。しかし、この達成率は、あくまで同社が独自に定めた社内目標に対してのものなので、未達だからといって直ちに懸念される内容ではない。ZEH/ゼロエネ/認定住宅の達成率はかなり低いが、これらの施工を確実に行うにはかなりレベルの高い職人が必要であり、実行するのは容易ではない。この現実を行政・業界ともに理解し始めており、今後は指針や市場そのものが変わってくる可能性がある。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)

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配信元: フィスコ

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