景気敏感株の買い戻しの動きを引き続き意識【クロージング】

配信元:フィスコ
投稿:2019/06/10 16:01
10日の日経平均は続伸。249.71円高の21134.42円(出来高概算11億6000万株)と終値ベースでは5月29日以来、8営業日ぶりに節目の21000円を回復して取引を終えた。トランプ米大統領は、不法移民対策を巡りメキシコと合意したことを明らかにし、メキシコ製品への制裁関税発動を無期限で停止すると表明。10日に予定されていたメキシコへの関税引き上げが無期限で停止となったことが好材料視される格好となり、シカゴ先物にサヤ寄せする格好からギャップ・アップで始まった。

ただし、上値追いは慎重であり、買い一巡後はこう着感の強い相場展開となった。また、日銀の黒田総裁は、「必要ならさらに大規模な緩和を行うことができる」と述べたと伝えられるなか、後場半ばに21166.12円まで上げ幅を拡大させる局面もみられたが、結局日中値幅は90円弱と手掛け難さが感じられた。

東証1部の騰落銘柄は値上がり数が1700を超えており、全体の8割を占めている。セクターでは東証33業種全てが上昇しており、繊維、石油石炭、電気機器、精密機器、化学工業、鉱業、パルプ紙が堅調。指数インパクトの大きいところでは、ソフトバンクG<9984>資生堂<4911>ファナック<6954>、リクルートHD<6098>、ファーストリテ<9983>がけん引。一方でKDDI<9433>が重石となった。

日経平均はギャップ・アップで始まったものの、その後はこれまで同様、こう着感が強まっている。チャート上では25日線を挟んでの攻防となった。メキシコへの関税引き上げが無期限で停止となったことを好感する格好であるが、日本主導では抵抗線突破による一段高は厳しかったようである。先物オプション特別清算指数算出(SQ)を控えていることもあり、積極的な売買は手控えられているようである。

グローベックスのNYダウ先物は50ドル高程度で推移しており、週明けの米国市場がメキシコ関税停止をどの程度好材料視してくるかが注目されるところであろう。米国市場の反応が限られてくるようだと、日経平均の21000円回復で短期的な達成感も意識されやすく、より様子見色が強まる可能性もありそうだ。

とはいえ、米中協議も長期化するとの見方の中、G20に向けてポジションを圧縮する流れが出てくると考えられ、内需系の利益確定に対して、景気敏感株の買い戻しといった動きを引き続き意識しておきたいところである。指数インパクトの大きい景気敏感株への買い戻しにより、結果的に日経平均の底堅さが意識されることに期待したい。


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配信元: フィスコ

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