今週の日経225予想 米国の金利と株式に注目(6/10週)

著者:山口哲也
投稿:2019/06/10 12:50

【先週の日経225の動向と今週の主要イベント】

今週の主要経済指標
先週の日経225(TFX)は反発。週初は前週の米国株安や円高を受け上値の重い展開となり一時は今年2月以来の安値となる20,337円まで下落いたしましたが、その後は、米国の利下げ期待が高まったことで米株式が上昇したことを受けて、日本株も値を戻す展開となりました。週末の終値は21,105円。
なお、米国のメキシコへの関税賦課については、7日にトランプ大統領が見送りを示唆しています。
また、7日に発表された米5月雇用統計は、非農業部門雇用者数が前月比7.5万人増と市場予想の同17.5万人増、平均時給の前月比が+0.2%(市場予想:同+0.3%)、前年比が3.1%(市場予想:同+3.2%)と弱い結果でした。なお、非農業部門雇用者数は前回分が26.3万人増から22.4万人増に下方修正されました。失業率は3.6%と予想と変わらず。

今週発表予定の主要経済指標は以下とおりです。日本時間で来週6月20日AM3時にFOMCの結果が発表されますが、マーケットは米国の利下げを意識しており、FOMCのゆくえを占う上でも、先週の雇用統計に加え今週発表される消費者物価指数と小売売上高に注目です。

【日経225(TFX) 週足 チャート】

【日経225(TFX) 週足 チャート】
日経225(TFX)の週足チャートです。
移動平均線は上から順に52週MA(21,882円)、13週MA(21,577円)、26週MA(21,212円)となっています。
相場は昨年末の安値19,029円から今年の高値22,525円までの61.8%戻しとなる20,364円を目途に先週下落し、反転して推移。50%戻しとなる20,777円を上回り、38.2%戻しとなる21,190円や26週MAを目途に値を戻しています。
ストキャスティクスも反転気味となっており、今週はフィボナッチの38.2%戻しとなる21,190円や26MAの位置する21,212円を上回って寄り付きましたが、今週末の終値で21,200円台を維持できるかどうかに注目です。
ただし各移動平均線の傾きと価格の位置関係から、中期的な売買戦略としては、13週移動平均線が位置する21,577をバックに戻り売りを見ています。

【日経225(TFX) 日足 チャート】

【日経225(TFX) 日足 チャート】
日経225(TFX )の日足チャートです。
200日移動平均線がやや下向きで、価格は200日MAや一目の雲、基準線の下側に位置しています。また、基準線自体も下向きとなっているため、短期トレンドは下を示唆しています。ストキャスティクスは上昇基調となっていますが、目先は基準線が位置する21,318円、その上には一目の雲の下限(21,700円前後)があり、これらがレジスタンスとして意識されるため、当面は基準線付近での戻り売りを考えたいところです。

このコメントは弊社チーフテクニカルアナリスト山口の個人的な見解で、内容を保証するものではありません。また、売買を推奨するものでもありません。ご理解のほどよろしくお願いいたします。
山口哲也
フジトミ証券株式会社 チーフ・テクニカルアナリスト
配信元: 達人の予想