今週の日経225予想 主要経済指標に加え政策金利も(6/3週)

著者:山口哲也
投稿:2019/06/03 11:11

【先週の日経225の動向と今週の主要イベント】

今週の主要経済指標
先週の日経225(TFX)は大幅続落。4週連続の陰線引けとなりました。週初21,261円で寄り付いた日経225(TFX)は、週明けは米国市場が休場、トランプ大統領の来日で様子見ムードとなる中、3連休明けの米国市場では米長期金利の低下と米中貿易戦争への懸念が高まったこと、更に週末にはトランプ政権がメキシコへの制裁関税の報道や、中国製造業PMIが弱かったことなどもあり、リスク回避姿勢が強まって今年2月以来となる20,500円を割り込み20,455円まで下落。20,512円で引けました。

なお、週末にトランプ大統領は、インドとトルコを一般特恵関税制度の対象から除外しています。また、ドイツの連立与党の一角SPDのナーレス党首が辞任しており、ドイツにおいては連立政権の行方に不安感が漂います。

今週発表予定の主要経済指標は以下とおりで、米中の主要経済指標に加え、政策金利動向などにも注目です。

【日経225(TFX) 週足 チャート】

【日経225(TFX) 週足 チャート】
日経225(TFX)の週足チャートです。
これまで21,000円を割り込んでも週足終値ベースでは、21,000円台を回復しておりましたが、先週は20,500円をも割り込む展開となりました。
各移動平均線は、それぞれ下向きで上から52MA(21,901円)、13MA(21,553円)、26MA(21,197円)となっており、ストキャスティクスも下向きとなっているため、メインシナリオは26週移動平均線や13週移動平均線をバックに戻り売りを考えています。

【日経225(TFX) 日足 チャート】

【日経225(TFX) 日足 チャート】
日経225(TFX )の日足チャートです。
200日移動平均線がやや下向きで、価格はその下側に位置しており、先週末から今週にかけては、一目の転換線に上値を抑えられる形で節目となる21,000円や、これまでの安値20,800円を割り込んでしまいました。また、遅行スパンも雲を下回っています。
更に、週末には中国から出された米中貿易協議白書や米国のインド等の一般特恵関税制度から除外もあり、今週も上値の重い展開でスタートしています。
今週は米中の主要な経済指標だけでなく、豪州やインドの金融政策の発表も予定されており、両国とも金利引き下げが予想されています。こういったことは世界経済のリセッション入り懸念が高まりやすいと考えています。そのため、当面は20,800円や21,000円をレジスタンスと考えた戻り売りがメインシナリオとなります。


このコメントは弊社チーフテクニカルアナリスト山口の個人的な見解で、内容を保証するものではありません。また、売買を推奨するものでもありません。ご理解のほどよろしくお願いいたします。
山口哲也
フジトミ証券株式会社 チーフ・テクニカルアナリスト
配信元: 達人の予想