ドル/円、週末・月末の着地点を探る=外為どっとコム総研 神田卓也

著者:神田卓也
投稿:2019/05/31 08:47

ドル/円、週末・月末の着地点を探る

昨日のドル/円は、抵抗線に上値を抑えられて伸び悩んだ。トランプ米大統領が「中国との通商交渉は上手くいっている」などと述べた事もあって109.90円台まで上昇したが、20日移動平均線や日足一目均衡表の転換線に阻まれて失速。ペンス米副大統領が「必要なら中国への関税を『倍以上』に上げられる」と述べた事で、109.40円台に差し込む場面もあった。

米中通商摩擦を巡る不透明感が漂う中、本日も関連報道に振らされやすい地合いが続こう。また、中国では5月製造業PMIが発表される。5月に入り米中間の対立がエスカレートした経緯があるだけに結果が注目されよう。なお、市場予想は49.9となっており、3カ月ぶりに分岐点の50.0を割り込むと見られている。その他、米国では米連邦準備制度理事会(FRB)が物価の目安にしている個人消費支出・コア価格指数(PCEコアデフレーター)の4月分が発表される。本日のドル/円はこれらを手掛りに、週末・月末の着地点を探りながら109円台で推移する事になりそうだ。
神田卓也
株式会社外為どっとコム総合研究所 取締役調査部長
配信元: 達人の予想