揺れ動きは続く… - いい押しが入った…!?

著者:武市佳史
投稿:2019/05/23 11:05

◆「米中懸念」蒸し返し - ただ「大きく崩れる」には至らず…

※ご注意:予想期間は5月24日と表示されていますが、本日(5月23日)の東京・欧州・NY市場の値動きを想定した記述となります。


「ヘッドラインで振り回される(揺れ動く)」は、依然として続いています。

『監視関連の中国企業5社の禁輸対象リスト掲載を検討』と報じられたことで、昨日は「米中懸念」が蒸し返されました。
前日までの動き(ファーウェイの制裁を一部猶予)とは真逆の動きといえるだけに、“リスク回避⇒円買い”がやや目立った格好といえます。
これに“戻り売り志向”も重なったことで、ドル円は“110.20円水準”へと値を落としていきました。
ただし「大きく崩れる」には至っておらず、現時点ではあくまでも「調整の範囲内」といえそうです。

◆「米10年債利回り」に要注目

このため本日も「米中懸念」がテーマと見られ、懸念増幅で“さらなる下値追い”、そうでなければ“下げ止まり⇒買い戻し”が期待されるところです。
ただしこれは「ヘッドライン次第」という面が否めないだけに、まずは100ドル超下げたNYダウに対して「日経平均がどの程度引っ張られるか?(株価動向)」を注意する必要があります。

その上で注意したいのは、「米10年債の利回り動向」です。
なぜなら目立った反応こそ見られなかったものの、昨日のFOMC議事要旨では「足元のインフレ減速は一時的」「しばらく金利変更不要(利上げも利下げもない)」と示されました。
利下げ観測が優勢の状況下では、特に「後者(当面利下げはない)」の影響は大きいと見られます。
本校執筆時には“3.38%割れ”へと低下している米10年債利回りですが、“利回り低下圧力が抑制”される可能性が否めず、こちらも“下げ止まり⇒買い戻し”が期待されるからです。

◆「イメージは下方向」がより増した感があるだけに…?

“110円割れ”が見えてきたことで、「イメージは下方向」がより増した感があるのは事実です。
しかしその分だけ、個人的に最も警戒している「にわか上値期待」は減退している格好になります。
「ヘッドラインで振り回される(揺れ動く)」は変わっていないだけに、一概にいうことは出来ないかもしれませんが、引き続き「大きくは下がらない」「リスクは下よりも上」と見て、神経質なマーケットに臨みたいところです。

◆ドル円 抵抗・支持ライン

上値5:110.851(5/7高値、日足・一目均衡表先行スパン下限、100週移動平均線、ピボット2ndレジスタンス)
上値4:110.710(4/24~5/13の50%戻し、5/3~5/13の61.8%戻し、5/21高値、日足・一目均衡表基準線、週足・一目均衡表転換線、月足・一目均衡表先行スパン上限、20月移動平均線)
上値3:110.625(5/22高値、20週移動平均線)
上値2:110.545(100日移動平均線、ピボット1stレジスタンス)
上値1:110.449(20日移動平均線)
前営業日終値:110.348
下値1:110.240(5/22安値)
下値2:110.184(ピボット1stサポート)
下値3:110.020(5/21安値、5/13~5/21の38.2%押し、大台、ピボット2ndサポート)
下値4:109.808(5/20安値、日足・一目均衡表転換線、月足・一目均衡表転換線、5/13~5/21の50%押し、ピボットローブレイクアウト)
下値5:109.727(-1σ)

※ユーロ円やユーロドルなど、他の通貨ペアの抵抗・支持ラインは〔一週間の為替市場を分析!マーケット・チェックWebセミナー〕にて公開中。

12:20 ドル円 抵抗・支持ライン追加
武市佳史
株式会社マネーパートナーズ チーフアナリスト
配信元: 達人の予想